中小企業診断士の未経験者採用を通じた3つの気づき

【2018年11月26日 投稿】
【2020年4月15日 更新】
【2023年4月17日 更新】

中小企業診断士の西井克己です。

弊社は10年以上前から中小企業診断士を目指す方の未経験者採用を行っております。

1.これまでの採用実績

これまでの中小企業診断士を目指す方の未経験者採用の実績としては、

2008年採用20代中途
入社当時 未経験 中小企業診断士1次試験合格(現在中小企業診断士)
2010年採用20代中途
入社当時 未経験 中小企業診断士(寿退職、現在隣県で活動中)
2011年採用20代中途
入社当時 未経験 中小企業診断士1次試験合格(試験合格せず、弊社退職)
2012年採用20代新卒
入社当時 未経験 中小企業診断士1次試験合格(現在中小企業診断士)
2015年採用20代第二新卒
入社当時 未経験 中小企業診断士(2021年に税理士に合格し、弊社にて診断士・税理士として活動中)
2019年採用50代中途
入社当時 未経験 中小企業診断士(前職の経験を活かし、全国的に活動中)
となっております。

弊社は独立前提の採用しておらず、
採用者6名の内、4名は弊社で中小企業診断士として活躍されている状況です。
退職された1名は、退職後中小企業支援機関に勤められ、
もう1名は中小企業診断士になっていらっしゃらない方です。
これらの未経験者採用活動を行って気づいたことを以下の通りまとめました。

あくまで採用される側ではなく、採用する側からの視点ですので、
採用する側からの視点を知りたい方はこのまま読み進めていただければと思います。

2.中小企業診断士を採用してみて気づいたこと

この15年ほど中小企業診断士未経験者採用で気づいたことは以下の3点です。

1 中小企業診断士を目指す方は、一緒に仕事をしてみて面白いと思う方が多い
2 中小企業診断士になることがゴールとなっている方とその後のあるべき姿が見えている方では伸び方が違う
3 中小企業診断士という職業は、完全未経験(新卒)からスタートでも可能である。

以下、それぞれについて詳しく書いていきます。

2-1.中小企業診断士を目指す方は、一緒に仕事をしてみて面白いと思う方が多い

中小企業診断士は、他の国家資格と異なり独占業務がありません。
いい意味で、他の資格と比べると、
資格を取るのにそんなに法律の知識や勉強はそんなにいらないと
個人的には思っています。
(1次試験に経営法務がありますが広く浅くの試験内容です。ただし、実務をちゃんとするためには少なくとも民法の知識は必要です。)

採用する側から見ると、中小企業診断士を目指す方は、
もともとの気質で法律や独占業務にとらわれない方が多く、
法律よりも現実を見つめる方、いわゆるビジネスセンスのある方が他の資格と比べて多いのではと思っています。
(大手の企業にいても、法務部門に配属される方は比較的ビジネスセンスよりも、
知識や論理に強い方が多いことと同じ理由かと思います。
ただし、知識や論理に強くかつビジネスセンスがある方がかなり強い方なのですが、
なかなかそんな方もいらっしゃらないという個人的見解です)。

未経験の状態で中小企業診断士の試験に挑戦しよう。中小企業診断士になってあるべき姿に近づきたい。
そんな思いのある方は、一緒に仕事をしていても面白いと感じることが多いです。
過去を見ることも大事ですが、未来志向であることが、
一緒に仕事をしてみて面白いと思うのかもしれません。

2-2.中小企業診断士になることがゴールとなっている方とその後のあるべき姿が見えている方では伸び方が違う

弊社は未経験採用、スキルよりも思いを重視した採用を行っております。
その採用活動をしていて思うのが、現状を不安に思って中小企業診断士を目指す方と、将来の目標に向かって中小企業診断士を目指している方は
最初からその姿勢が異なるということです。
通常の転職活動でもそうでしょうが、
現状に不満があってその不満を解消するための手段としての転職となると、
その不満が解消する可能性は高くはない。
転職しても最初はいいのですが、
慣れてくると同じ不満や悩みを抱える方が多いのではないかと思っています。

弊社は、不満を解消するために弊社や中小企業診断士を選択することは
是とはしていないので、有難いことに大半の方が前向きな姿勢で
弊社の採用活動に応じてをいただいています。
その中でも、本気であるべき姿を語っている人と、
弊社に入るためにあるべき姿をつくって話している人では、
話し方や熱の入り方が全く違うことを経験しています。

恐らく面接を受ける立場の経験がない人でも一瞬でわかるぐらいの差があります。

やっぱり、面接のために作った自分の答えと心の底から
自分で思っていることを語るのでは違って当然だと思っています。
自分自身が考えるあるべき姿があり、
そのあるべき姿の構築のために、自分はどのような貢献をするのか、
その貢献をするためになぜ中小企業診断士が必要なのか?
これが明確に見えている方は、中小企業診断士になることはあくまで通過点であり、
中小企業診断士としても1人の職業人としてもその後の伸びが全く異なります。
(こんな活動をしていると、あるべき姿が見えていない状態で転職活動を
することが悪いことなのかという質問を受けることが少なくありません。
人それぞれの人生なので、あるべき姿がないことは決して悪いことではない。
弊社は、1人の方を仲間に受け入れるということは、
責任をもって1人前になるように育成し、
その後士業として活躍いただく強い決意が伴っています。
その中で相手の考えやあるべき姿が見えにくい段階でその決断はできないので、
弊社の仲間として受け入れることはないと回答しています。)

私自身は、あるべき姿は、いろいろなフレームワークがありますが、
以下の3つの輪(社会的使命、自分ができること、人生で実現したいこと)が
重なるところを意識しながらお伺いしています。

2-3.中小企業診断士という職業は、完全未経験(新卒)からスタートでも可能である

中小企業診断士は、求人自体も少ない(ほとんどない)ですし、
仕事自体も新卒者がいきなりできるものではないのではないか?
そう認識している方がほとんどではないでしょうか?
実際に中小企業診断士事務所で新卒採用や完全未経験採用をしている会社は
全国的にみてもほとんどないという事実があります。
しかし、個人的には、新卒者がいきなりできる仕事は
中小企業診断士に限らずほとんどないと思っています。
弊社は新卒者と第二新卒(卒業後半年以内に弊社に入社)を採用し
育てた経験をもとに考えると、
事実として、他の仕事と同様にやる気と環境さえ整っていれば
中小企業診断士も新卒から育っていることが言えます。

ただし、「やる気」と「環境」が整っていないと難しいです。
すなわち、やりたいことが固まっていない新卒の方が来て会社に入り、
社会人としてのスタートを切った後、仕事をしながら実際にやりたいことを
考えるという現在の新卒の就職スタイルでは、
新卒からスタートということは難しいと感じています。
さらに、やる気があっても、環境が整わないと難しいと感じています。

弊社でいう環境は、中小企業診断士としての職業観や倫理観を保有しており
新卒者の規範となる人材が社内いること、
新卒者が先輩診断士のかばん持ちしながら1つ1つ中小企業支援の現場を
肌で感じることができること、
中小企業診断士として登録された後むずかしくない仕事(新人診断士でも頑張ればできる仕事)があることを想定しております。
すなわち1人で行うことが基本の中小企業診断士事務所では
この環境を整えるのは決して簡単ではないと思います。
新卒から診断士は無理ではありません。
やる気と環境さえ整えば、新卒スタートからでも十分にスタート可能な職業である。
そして新卒からスタートすればその後の可能性は
限りなく広いということを感じております。

中小企業診断士を目指す未経験者を採用してみて、気づいたことをまとめてみました。
あくまで採用者側の視点であることを前提に参考にしていただけると幸いです。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、金沢で修業(10年ぐらい)して、故郷で支店(北陸3県を除く)を出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。

西井に会いたいと思っていただけた方は、北陸方面であれば土曜日に会社(金沢)でお会いできます。
関東・関西方面の方は、東京、大阪出張の際に調整をしてお会いしていますので問い合わせください
(最近はスカイプで会社案内もしておりますし、これまで出張の際にお会いした方は10名程度いらっしゃいますのでお気軽に)。

新規の問合せ質問はここをクリックしてください(フォームにリンクします)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください