中小企業診断士になって公的機関に転職する

中小企業診断士の西井克己です。

現在金融機関にお勤めの方や大手企業にお勤めの方で中小企業診断士に登録されて間もない方もしくは中小企業診断士の勉強を始められた方から公的機関に転職したいという相談をいただくことがあります。
その時に必ず伺うのは、なぜ公的機関に転職したいのかということです。

〇中小企業診断士として公的機関に転職したい理由

その回答として多いのは、
・地元に帰って安定的な職に転職したいため。
・いまよりも中小企業診断士の仕事ができそうだから。
・現在の職場に不満があり、中小企業診断士を活用して転職したい。求人を探すと公的機関からの求人があった。
などがあります。

結構具体的な理由で転職を希望されている方もいらっしゃるのですが、多くの方がなんとなくのイメージで公的機関を選んでいらっしゃる(安定していそう、中小企業診断士の仕事ができそう、地元の経済に貢献できそう)ことが多いような気がしています。

何をやりたくて中小企業診断士として転職するのか?
そのやりたいことに近づくためにどうして公的機関なのか?
もっと明確にすると転職活動がスムースに進むと思いますし、
転職した後も、すっと業務に入っていけると思います。

 

〇まず公的機関の役割を知ろう

まずは、公的機関の役割を知ることが大事かと思います。
中小企業診断士として公的機関に転職といってもいろいろな機関があり、
国関係ですと中小企業基盤整備機構、県関係ですと各県の都道府県等中小企業支援センターや中小企業団体中央会、地域ですと商工会議所や商工会
が一般的な中小企業支援の公的機関です。

それぞれ役割が異なっており、
地域単位の商工会議所や商工会は、中小企業の経営者との関係は他の機関と比べると近いです。
中小企業支援だけではなく、祭り等の地域ならではのイベントの裏方などいろいろな業務を担当することが多いです。この地域のためのなんでも屋さんという仕事かもしれません。
中小企業の経営者との関係が深い一方で、中小企業支援以外の業務も多いかもしれません。

県単位の都道府県等中小企業支援センターや中小企業団体中央会は、商工会議所や商工会と比べると中小企業の経営者との距離はあるかもしれません。商工会議所や商工会さんは、地域を限定してお付き合いしますので、長いお付き合いになりますが、県単位となると事業毎の付き合いになりがちのような感触を持っています。
また、商工会議所や商工会は、一緒に書類をつくるというイメージですが、経営者の作った書類を一緒に添削するというイメージの支援になると思います。
県単位の公的機関は、中小企業支援という点では、商工会議所さんや商工会さんよりも特化しているかもしれませんが、書類の関係が多くなり、中小企業経営者との接触頻度という点では、商工会議所さんや商工会さんの方が多いかもしれません。

国単位の中小企業基盤整備機構等になると、商工会議所や商工会や都道府県等中小企業支援センタと連携して、ある程度大きな支援を行わなければいけないときに、その予算を確保し、地域の中小企業支援機関と連携して(自らが接着剤となり)仕事をしているイメージです。

大枠で考えると地域→県→国になればなるほど、書類と向き合うウェイトが増えているのではと思っております。
商工会議所も商工会も書類と向き合う仕事はありますので、100%中小企業支援に充てることはできない。その力の半分を中小企業支援に充てられれば、本人の充実感は高いと思われます。

公的機関に転職を希望されている方は、間違っていてもいいのでぼんやりとしたイメージではなくできる限り明確化し、自分の思いと明確化したもの重なり具合(どのくらい重なり合うのか)を確認していただくことを強くお勧めしたいと思います。

 

〇公的機関から仕事の依頼を受ける中小企業診断士

それでは公的機関から専門家派遣の依頼を受ける中小企業診断士はどうかというと、
中小企業の経営者と直接話ができるという点では、商工会さん商工会議所さんに近いかもしれません。
ただし、公的機関さんと違い、利益を確保しないと継続的な事業活動ができません。
そのため、中小企業支援の割合は高いとはいえ、すべてがやりたい仕事ができているかというとそうではありません。
やっぱりやりたくない仕事も、利益確保のために行うことも少なくありません。
ただし、仕事を通じて、目的に近づいていると実感していますので、結構充実した毎日を送らせていただいています。

公的機関に転職する。それも大事ですが、まず何のために中小企業診断士として転職するのかもう一度考えて、
自分の思いとできる限り重なり合う転職先を目指すといいかもしれません。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、金沢で修業(10年ぐらい)して、故郷で支店(北陸3県を除く)を出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。

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