なぜ一人前になるまでの期間を10年にしているのか?

弊社では一人前になるまでの期間を「10年程度」としています。これについて、弊社に興味を持っていただいた方からから「長すぎないか?」との疑問をいただくことがあります。本記事では、この「一人前になるまでに10年程度」の中身についてご紹介しています。

こんにちは、中小企業診断士の小川です。

今年も中小企業診断士の二次試験がだんだんと近づいてきました。
残り2週間程度ではありますが、皆さんのご健闘を祈っております。

さて、いきなり手前味噌な話になるのですが、弊社では「士業育成システム™」と題して、未経験でも思いのある方に入社していただき、自らの思いや志を実現していただく環境を提供しています。
また、士業になった後も「支店制度」として、ご自身の故郷や思い入れのある土地でその力を発揮していただくことで、社内の次の人材だけでなくその地域にも恩送りしていただくことも目指しております。

私(小川)はかれこれ5年前以上前から、弊社の採用過程で一次面接を担当しているのですが、しばしば「入社してから一人前になるまでの期間を10年程度としているのはなぜですか?長過ぎませんか?」というお声をいただきます。

前置きが長くなってしまったのですが、今日はこの「10年という期間」について、私なりの考えをお伝えできればと思います。

1.士業育成システムについて

一人前の話をする前に、弊社の士業育成システムについてお話させていただきます(システムの詳細はこちらのリンクをご参照ください)。

最初にも記載したとおり、弊社では基本的に「経験はない/少ないが中小企業や地域を応援したいという強い思いがある」という方と一緒に働きたいと考えています。

つまり、経験が少ない方でも一人前の士業として活動できるよう共に育つということに取り組んでいます。このため、資格取得前の方に対しては、
・完全週休3日、試験前休暇(2~4週間)
・資格学校費用、受験費用の補助(20万円/年)
・勤務時間中も勉強可能
・かばん持ち制度(センパイ士業に同行して中小企業支援の現場を見ることができます)
といった仕組みを用意しています。
また、資格はあくまで思いを実現するための手段であるという考えから、大学院の費用補助や上司との個人面談などを通じて、資格取得後の支援も用意しています。

中小企業診断士の求人は以前と比べるとかなり多くなりましたが、依然としてその多くは資格と経験を持つ方を対象とするものが大半です。
弊社ではあえて思いにお互いが共感できるかを重視することで、お互いが切磋琢磨し尊重しあえる環境をつくっています。

 

2.士業資格を取得した後の流れ

次に、資格を取得した後の流れを見ていきたいと思います。
資格を取得したからといってすぐに1人で活動できるわけではありません。少しずついろいろな経験を積みながら、できることの幅を広げていきます。

人にもよりますが、資格を取得してから完全に1人で行動するようになるまでは、概ね3~5年かかっている人が多いです。

そうして「ひとり立ち」する中で、ご自身の志や仕事を通じて実現したいことについて改めて明確化していきます。
士業としての経験も増えていく中で、自分のやりたいことはなんだったか、解決したい課題はなんだったか。
ここが明確になり、その後のステップを決めるまでにまた3~5年かかることが多いです(小川はそうでした)。

先ほどもご紹介したとおり、この過程は1人で悩むのではなく、他の士業やメンバーが時に壁に、時に鏡になりながら考えを深めていきます。

小川の場合は、2013年のはじめに診断士に登録し、自分が決めた道に進むために大学院に進学したのが2021年、修了したのが2023年でした。
振り返ってみると最短ではなかったなと思いますが、やはり10年かかりました。

 

3.一人前の目安を「10年程度」としている理由

おわかりいただいたかと思いますが、10年かけたくてかけるわけではなく、結果として10年程度かかってしまう、という言い方がより近いのだと思います。
逆に、それだけの年月をかけて定めたご自身の道はそう簡単に変わることはないくらいに強固なものになっているかと思いますので、その段階になれば後進を育てたり、支店制度を活用して思い入れのある土地でがんばっていただいたり、という「恩を送る」側として活動していただくことになります。

 

4.おわりに

学生の方、すでに社会で活躍されている方、様々なハードルを抱える方、どのような属性の方であっても、「地域や地方、そこで活動されている方々のために、自身や資格の力を活用したい」という方と一緒に働くことができればと思っております。
石川県という地方の、しかも10人にも満たない会社に対してアクションを起こすことは勇気がいると思いますが、「小さな一歩」を踏み出してみませんか?
オンラインでも対面でも、弊社の士業と話すこともできますので、ぜひお問い合わせはこちらから、お待ちしております。

興味を持っていただいた方は、迅技術経営の採用ページもご覧ください。

また、弊社の採用については、以下の記事もご覧ください。
・どうして経歴や能力を重視しないのですか?
・「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み

中小企業診断士のかばん持ち期間(修業)について

中小企業診断士の西井克己です。

タイトルの中小企業診断士のかばん持ち期間(修業)については、
一般的な質問というより、
弊社(株式会社迅技術経営)に就職を希望されている方から多く受ける質問です。

質問の多くは、かばん持ち期間はどのように定めているかというものが多いです。

かばん持ちの期間は、その人の成長に応じて変化させています。
かばん持ちを行い先輩士業に同行し、議事録を書いたり、お客様に提出する資料を整えたりします。
お客様の前では、発言することも許されていません。
会社としては、育成に特化した期間(1円も稼ぐことのない期間)ですし、育成される方にとっても、自分の思いを蓄積する期間です。
この2年間は、決してお互いにとって楽な期間ではないのですが、その方が士業へと成長していくための大事な期間でありと痛感しております。

2年間のカバン持ちを経てかつ士業としての資格を保有し、先輩士業が1人で仕事を任すことができると判断すれば、
少しずつ自分の仕事を増やしていくことになります(この判断の基準を教えてほしい、具体的に数値化できないのかという質問が多いです。
2年間、かばんを持ってくれた人に対して数字で評価するというのも実は難しく、その先輩士業の勘と経験に頼るのが一番と考えております)

最初は、2年間のかばん持ちでついていた先輩士業が、同行します。
この時は、補助者ではなく、自分が主体的に動くことになります。
ただし、お客様との打ち合わせの後に、同行している先輩士業と議論を行うことで、自分だけではなく、その先輩士業の能力を含めた品質でお客様に提供していくことになります。
これを繰り返し、そして先輩士業の関与を徐々に少なくしていく。こんな育成を行っております。
1人で仕事をするようになっても、お互いに切磋琢磨するために、士業に同行することは少なくありません。

かばん持ち期間は、その人の成長具合に応じて設定しています。これまでの実績では、かばん持ち期間は最短で2年、長い方では4年程度となります。

数字で評価するのがいいのですが、修業という数値化できないものを無理やり数値にするのは乱暴であり、
人それぞれに教育の方法や成長のスピードや伸びるべきポイントも違うので
一律で教育したり評価するのではなく、その人に合わせた教育ということを大事にしています。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、金沢で修行(10年ぐらい)して、故郷で支店(北陸3県を除く)を出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。

新規の問合せ質問はここをクリックしてください(フォームにリンクします)

中小企業診断士事務所で修業したい

中小企業診断士の西井克己です。

最近シニア世代の方から弊社で修業したいという要望をいくつかいただいております。
弊社のことをインターネット等でお知りになり、弊社の士業を育てる活動に共感いただいた方が問い合わせいただいておりとてもありがたく感じております。
弊社に問い合わせいただきました方とは、必ず面談をさせていただいております。

その際にシニア世代の方から要望いただくのは、お金はいらないので修業させてほしいということです。とてもありがたい申し出なのですが、原則はお断りさせていただいております。
その最大のギャップは育成に要する期間です。

弊社は明るく誠実な人材を士業へと育てることを大切に考えております。その考えは経営理念にも示されています。
弊社の育成は、ご縁のあった方に必ず士業として活躍いただくために、スピードを重視しておらず、時間をかけてじっくり育成しております。
弊社にご入社いただいてから、お客様の主担当として問題なく対応できるようになるには最短5年、通常では7~10年ぐらい要すると考えております。
弊社にお声がけいただける方は、おおむね1~2年ぐらいで一定の修業が完成するとイメージされており、この時間的ギャップが大きいです。

最初の2年間は、かばん持ちを行い先輩士業に同行し、議事録を書いたり、お客様に提出する資料を整えたりします。お客様の前では、発言することも許されていません。会社としては、育成に特化した期間(1円も稼ぐことのない期間)ですし、育成される方にとっても、自分の思いを蓄積する期間です。この2年間は、決してお互いにとって楽な機関ではないのですが、その方が士業へと成長していくための大事な期間でありと痛感しております。
2年間のカバン持ちを経てかつ士業としての資格を保有していれば、少しずつ自分の仕事を増やしていくことになります。最初は、2年間のかばん持ちでついていた先輩士業が、同行します。この時は、補助者ではなく、自分が主体的に動くことになります。ただし、お客様との打ち合わせの後に、同行している先輩士業と議論を行うことで、自分だけではなく、その先輩士業の能力を含めた品質でお客様に提供していくことになります。
これを繰り返し、そして先輩士業の関与を徐々に少なくしていく。こんな育成を行っております。
団塊の世代の方に聞くと、新人時代はこのような育成を受けていたとおっしゃる方が多いので、その世代では当たり前のように行われていた育成方法と思いますが、現代においては、会社もそんな体力はなく、新人もそんな時間はかけていられないという双方のニーズがマッチして、この育成方法がとられなくなっているのではと思っております。
弊社は、独立前提での入社は認めておりません。いったん仲間として受け入れた場合は責任をもって活躍できる士業へと育成したいと思っているからです。このためには多くの時間と費用と先輩の思いが必要で、その恩を受けた方は、次世代に恩を送ってほしいと考えています。
 古風な考えかもしれませんが、この考え方は弊社の存在意義でもありますので愚直に守っていきたい。そう考えております。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、金沢で修業(10年ぐらい)して、故郷で支店を出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。

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