「補助金コンサル」のメリットと限界

ここ数年、「補助金コンサル」という言葉が聞かれるようになってきました。中小企業の取り組みを支援する制度が増えるとともに、チャレンジを支援する診断士やコンサルが増えることは好ましいことですが、10年以上診断士として活動してきた視点から、いい面と難しさについて紹介しています。

こんにちは。迅技術経営で中小企業診断士として活動している小川です。

前回の更新から少々時間があいてしまいました。
2025年に入って2ヶ月半が過ぎ、中小企業診断士二次試験の結果も出ましたね。
勉強されていた皆さんの結果はどうだったでしょうか。

さて、今回は「補助金コンサル」というテーマで話していきたいと思います。
補助金コンサルという働き方・考え方は、ここ数年で注目が集まったので聞いたことがある・興味があるという方も少なくないと思います。
以前から補助金コンサルという働き方や接し方に対しては良い側面とそうでない側面があると思っておりましたので、今日はそのことについて触れていきます。

 

1.補助金コンサルが浸透した経緯

2010年代半ばごろから、「ものづくり補助金」や「持続化補助金」など、中小企業向けの使いやすい補助金制度が拡充されました。
これらの制度が開始された当時、私は診断士として活動を始めて数年といった時期でした。当時は先ほど挙げた2つの補助金が国の補助金としてメインであったように記憶していますが、いずれも「事業者自らが申請書を作成する・できる」ことが制度構築に対する考え方の重要な要素であったという印象を受けていました。

この時期、採択された企業の中には実際に経営者や幹部自らが申請書を書き上げたという事例も数多くありました(少なくとも石川県でもそのような事例を一定数伺っていました)。

しかし、採択競争が激化する中で、我々中小企業診断士などの士業が申請を支援するケースが徐々に増え始め、制度設計者側もそれを前提とした制度設計へと変化していったように感じました。
(例えば、審査員が読みやすいように図表を多く使うよう指示がある、など)

そしてこの流れが決定的になったのが、2020年以降のコロナ禍でした。
この時期(2024年時点でも制度としては残っていますが)、コロナ禍で社会情勢が大きく変化したことから、「事業再構築補助金」という制度を通じて事業転換を後押ししようという動きが高まりました。
この補助金は、補助金額の大きさ(最大8,000万円)、補助対象費用の幅(建物も対象になる)といった点で、それまでの補助制度とは異なっていました。
また、支援する側という観点では、外出自粛の流れの中で診断士などの資格に挑戦したりフリーランスとして独立する人が増加し、会議や打ち合わせのオンライン化が進みました。

事業再構築補助金を通じて新たな事業に取り組みたいが自分で申請書を書き上げるには手間がかかるし採択される可能性にも限界があるという経営者側の思惑と、採択に向けた支援をすることで自身のキャリアを確立したいという支援者側の思惑、それらが重なったことが、「補助金コンサル」という支援のあり方が急速に普及した一因になったと考えられます。

 

2.「補助金コンサル」のメリットと限界

2−1.メリット

・事業計画をわかりやすくまとめる経験

私自身がそうだったのですが、補助金の申請書づくりは事業計画を作る何よりの訓練になります。
補助金の大半は申請書のみで審査されるため、その会社のことをまったく知らない人が短時間で読んでも、しっかりとその会社の過去、現在、そして未来が明確に伝わらなければなりません。

経営者の方々から会社のこれまでと現状をヒアリングし、その会社の良さや課題を経営者と同じレベルか、時にはそれ以上に理解する。そして、将来に向けた方針を補助金を活用してどのように実現していくのか。そうした内容を文章や図表を活用して明確に示していくという工程は、支援者としてのレベルを確実に上げてくれます。

 

・前向きな企業・経営者と知り合うきっかけづくり

補助金というものは、基本的に現状から何かを変えようとしている会社がチャレンジするものです。つまり、何らかの課題を抱えておりそれに対して前向きに進もうとしている会社ということになります。

そうした会社の中には、とても魅力的な人や事業内容があったりします。そうした方々と関わることができ、さらなる成長に向けて貢献できるということには、支援者ならではの大きな意義があります。このような会社や人との出会いは、きっと皆さん自身の成長に強くつながります。

 

2-2.限界

・仕事が補助制度の動向に左右されやすい

前述のとおり、中小企業を対象とした補助金・補助制度が拡充されてきたのは、この10年くらいだと思います。この間、「ものづくり補助金」や「持続化補助金」などを中心に、国だけでなく都道府県単位で実施されているものも含めると、実に様々な制度が生まれてきました。
中でも「補助金ビジネス」や「補助金コンサル」といった言葉がより浸透したきっかけは、コロナ禍における「再構築補助金」でした。

このとおり、補助金は行政の制度であるため、それを事業の軸とすると制度の動向に軸が左右されることになります。アフターコロナや各地での災害発生により各種補助金の予算が削減される中で、コンサル会社の倒産が増加しているというニュースもこの流れに乗ってしまっているから、という要素があると思います。

 

・「その場限り」の関係になりがち

補助金を事業の軸にしている方を見ていると、「申請書を作成して採択される」ことを「成功」と定義して成功報酬を受け取っているところが多いようです。
このような体系を採用していると、お客様との関係が「その場限り」になりがちになってしまう可能性があります。
新しいビジネスへの挑戦や設備投資は、事業者さんの思いを実現する上での手段の1つであり、そこでゴールではありません。診断士の仕事をする中で本当にやりがいを感じられるのはその先であるにもかかわらず、そこまではカバーしない…というのは、とってももったいないと感じてしまいます。

 

3.おわりに

弊社では、よく「資格は刀であって、それをどう使うかは使い手次第」という話をします。今回の話も、まさにそこがポイントだろうと感じています。

中小企業診断士の認知度が上がって資格を持つ方が増える中で、診断士が介在することで事業者さんが思いを実現できる可能性を引き上げることができているとすれば、それはとてもいいことだと思います。
一方で、先程も述べたとおり、補助金の申請、採択といったことは会社を経営する中でほんの一部分のことであり、診断士として本当の意味で価値を発揮できるのはその前後にあるような気がします。

学生の方、すでに社会で活躍されている方、様々なハードルを抱える方、どのような属性の方であっても、「地域や地方、そこで活動されている方々のために、自身や資格の力を活用したい」という方と一緒に働くことができればと思っております。
石川県という地方の、しかも10人にも満たない会社に対してアクションを起こすことは勇気がいると思いますが、「小さな一歩」を踏み出してみませんか?

オンラインでも対面でも、弊社の士業と話すこともできますので、ぜひお問い合わせはこちらから、お待ちしております。

興味を持っていただいた方は、迅技術経営の採用ページもご覧ください。

中小企業診断士に求められる「資質」とは?

中小企業診断士に興味を持たれている方、勉強中の方から「診断士に必要な資質はなんですか?」と聞かれることがあります。様々な資質が求められる資格だとは思いますが、士業を育て恩送りを重要視する弊社として考える「求められる資質」について書いております。

【2024年9月4日 投稿】
【2024年10月18日 更新】

こんにちは。
未経験ではあるが中小企業の支援がしたい、中小企業支援を通じて地域活性化の役に立ちたい。
そんな思いを持つ方々に対して「士業育成システム」や「恩送り」といった「共育恩送」の考え方を通じて実現のお手伝いをしている迅技術経営の小川です。

前回の記事に引き続き、中小企業診断士の勉強をしている、もしくは興味がある方からたまに聞かれる質問について書いていきたいと思います。
今回は、「中小企業診断士に求められる『資質』とは?」というテーマです。

記事作成時には気づきませんでしたが、2017年に弊社代表の西井まったく同じタイトルで投稿しておりました。
よければそちらもご覧ください。

 

◯小川の考え

中小企業診断士に求められる資質、持っていたほうがいい資質は多岐に渡ると思いますが、個人的に最も大事だと思っているものの1つが「小さな一歩を踏み出す力」だと思っています。

前回の記事にも記載しましたが、お客様の問題解決をサポートするためには、
①お客様の現状や抱えている問題を把握して整理する
②専門的な知識を背景に適切な解決策を選択し提示する
③こちらで解決できる場合は解決する、お客様に動いていただかなくてはならない場合はそのサポートをして問題解決に導く
④同じような問題や派生的な問題が起きないような対策を先回りして講じる、発生してしまった新たな問題に対して早期に解決する

という流れが必要になります。この流れの中では、
・人に対して興味を持ち、理解・共感・寄り添おうとすること
・起きている事象に対して何度も「なぜ?」を繰り返して根源的な問題を把握すること
・今の支援のあり方に満足せず、常に新しい知識やトレンドを吸収しようとすること
・経営者の方々と深い信頼関係を築けるよう、士業としてだけでなく人間としても成長すること
といった姿勢が必要であり、いずれも「現状から一歩踏み出す」ことで得られるものであり、これを繰り返していくことが大事だからです。

逆に考えると、過去や今のあり方や自分のスタイルといった、いわば「守り」の要素が強くなると、お客様の課題解決に貢献できなくなるだけでなく、より深いレベルでの変化・変革に対する支援ができなくなる、とも考えられます。

 

◯迅技術経営での考え方

通常、中小企業診断士の資格を持つ方を募集している会社では、それまでの背景を重視するところが多いと思います。それは、その方が即戦力として活躍していただけるかをはかることができるからです。

弊社(迅技術経営)では、経験の有無は問いません。むしろ、経験はないものの自身や社会に対してあるべき姿、実現したい姿を定め、資格を活用しながらそこに近づいていきたいという思いを持つ方と、互いに育て合いながら働いていきたいと考えています。

このため、まだ資格を持っていないという方に対しては、資格学校や受験代の費用補助をしているほか、すでに士業として夢や志に向かって活動している人と日々を共にすることで、弊社としての士業のあり方を体感していただけます。
また、資格取得後も奨学金のような形で夢や志を実現するための費用補助をしております(弊社では私を含め、これまでに3名が入社後に大学院を修了しています)。
自分のルーツとなった場所で自分の力を還元したい、という気持ちがある方に対しては、一定期間(10年程度)金沢で過ごしていただいたうえで戻っていただく「支店制度」も設けています。

学生の方、すでに社会で活躍されている方、様々なハードルを抱える方、どのような属性の方であっても、「地域や地方、そこで活動されている方々のために、自身や資格の力を活用したい」という方と一緒に働くことができればと思っております。
地方の、しかも10人にも満たない会社に対してアクションを起こすことは勇気がいると思いますが、「小さな一歩」を踏み出してみませんか?
オンラインでも対面でも、弊社の士業と話すこともできますので、ぜひお問い合わせはこちらから、お待ちしております。

興味を持っていただいた方は、迅技術経営の採用ページもご覧ください。

思い?テクニック?

士業に必要なのは思いか?テクニックか?ーこれは誰もが考えたり直面したりするテーマだと思います。当然両方あるに越したことはないのですが、では経験やテクニックがない人は永遠に士業として活躍できないのか?この記事ではこの問いに対する弊社なりの考えを書いています。

【2024年8月2日 投稿】
【2024年9月4日 更新】

こんにちは。
未経験ではあるが中小企業の支援がしたい、中小企業支援を通じて地域活性化の役に立ちたい。
そんな思いを持つ方々に対して「士業育成システム」や「恩送り」といった「共育恩送」の考え方を通じて実現のお手伝いをしている迅技術経営の小川です。

突然ですが、弊社は通年で採用活動を行っております。

2024年、早いものでもう7ヶ月が経過してしまいましたが、今年も何人かの方とご縁をいただき、面接をいたしました。

弊社では、採用活動は「お互いを十分に知るための期間と機会」と捉えているため、面接ではこちらからの質問ばかりではなくお相手からも弊社に対する疑問をたくさんぶつけていただき、なるべくそれに答えるようにしています。

そのような面接の場で、明確に質問されたというわけではないのですが、認識の差を感じることがありましたので、今回はそれについて書いていきたいと思います。

それは、「士業として活動(活躍)するために必要なものはスキルやテクニックなのか?」、別の言い方をすれば、「思いや夢、志といったもので士業として活動していけるのか?」といったテーマです。

以前、「どうして経歴や能力を重視しないのか?」というテーマで記事を書きましたので、よければそちらもご参照ください。

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まちづくりと中小企業診断士

「まちづくり」という言葉には、実に多様な意味合いが含まれています。非常に聞こえがよく使い勝手もいい言葉であるために、人によって大きく意味合いや範囲が大きく異なります。今回の記事では、そもそもまちづくりとはなんなのかということに加えて、中小企業診断士ができるまちづくり支援のあり方について記載しています。

こんにちは。

未経験ではあるが中小企業の支援がしたい、中小企業支援を通じて地域活性化の役に立ちたい。
そんな思いを持つ方々に対して「士業育成システム」や「恩送り」といった「共育恩送」の考え方を通じて実現のお手伝いをしている迅技術経営の小川です。

以前、採用活動の一環としてまちづくりに興味を持つ学生さんと関わる機会がありました。
「まちづくり」というと、少なくとも数年前は学生さんの間で非常にホットなフレーズになっていたように感じます(今もそうかもしれません)。
そうした方々の中には、まちづくり団体を志望する方もいらっしゃれば、公務員を志望する方もいらっしゃいました。

私はそうした関わりの中で、学生さんたちが考える「まちづくり」と「士業ができるまちづくり」には少なからずギャップがあると感じました。

今回は中小企業診断士、もしくは士業と「まちづくり」について書いていきたいと思います。

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中小企業診断士の仕事(公的機関経由の専門家派遣)

中小企業支援のあり方は様々ですが、公的機関を通じた「専門家派遣」もその1つです。企業側の視点から相談~支援といった流れは多く紹介されていますが、専門家側の視点は意外とありませんでした。今回の投稿では弊社での専門家派遣の流れなどを説明しております。

こんにちは。中小企業診断士の小川(森)です。

先日、「公(おおやけ)からの仕事ってどんなことしてるんですか?」という質問をいただきました。

確かに「中小企業診断士 専門家派遣」などで調べてみると、相談する側(中小企業経営者)目線でのページは自治体や支援機関ごとに存在しますが、専門家側のページはあまり見当たりませんでした。

特に地方では、弊社がある石川県と同様、専門家派遣が経営者の皆様との接点になっているケースも多いと思います。取得したて・独立したての方にとっては大事な機会になっています。

そこで今回は、実はあまり知られていない(かもしれない)専門家派遣での中小企業診断士の支援のあり方について書いていきたいと思います。

<関連記事>
中小企業支援について(実務前と実務後の違い)
弊社代表の西井が中小企業支援について紹介したものです。よろしければご覧ください。

 

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中小企業診断士として長く活動する魅力

中小企業診断士の魅力とはなんでしょうか。診断士を目指す方向けのサイトを見てみると、資格取得で自分がどう変わるかという視点での記事はたくさんありましたが、長期間の活動という視点で魅力が書かれているものはあまりありませんでした。この記事では長期間関わることでの魅力を紹介しています。

こんにちは。
士業として中小企業を支援したい、中小企業支援を通じて地域の発展に貢献したい、
そんな思いを実現したいという方に対して恩送りや士業育成システムを通じてお手伝いする迅技術経営の森です。

本当に早いもので、私は2013年2月に中小企業診断士として登録し、この記事の公開時点(2024年2月)で11年になります。
正直なところ、診断士になったときには10年という時間はあまり想像できていませんでした。
しかし、ありがたいことに多くの経営者さんと長いお付き合いをさせていただくご縁をいただくことができ、診断士(もしくは士業)としてとても大きな、でも当事者にならなければなかなか実感できない「魅力」があると思います。


そこで今回は、「長期間の支援」というテーマで書いてみたいと思います。

興味のある方は以下の記事もご覧ください。
中小企業診断士という仕事のモチベーションの保ち方
中小企業診断士という仕事をこよなく愛する人
【中小企業診断士の仕事がない】取っても食えない?

 

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女性診断士は少ない?(その2:女性経営者×女性診断士)

女性経営者は増加傾向にあるといわれていますが、実際のところどうなのでしょうか?また、女性経営者はどのような悩みを抱えているのでしょうか?女性診断士(士業)だからこそ可能な女性経営者に対する支援のあり方について考えるきっかけになれればと思います。

【2023年7月8日 投稿】
【2025年3月30日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森です。
前回に引き続き、「女性の中小企業診断士」のテーマです。

前回は、診断士受験者や合格者の中での女性比率、そして他士業と比較した女性比率の状況を見てみました。
近年は中小企業診断士を目指し、合格する女性が増加傾向にあるものの、他士業と比較すると依然として低い、ということがわかってきました。

今回は、少々乱暴な切り口ではあるものの、「女性経営者×女性診断士の可能性」という視点で書いていきたいと思います。

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女性診断士は少ない?(その1)

女性の中小企業診断士が少ない。診断士として(特に地方で)活動しているとよく感じることです。実際のところどうなのでしょうか?今回は中小企業診断士試験及び資格における女性の割合と他士業とのデータを比較しながら、以前と今、そして今後どうなっていくのかを見たいと思います。

こんにちは。中小企業診断士の森です。

女性の就業比率が高まっている昨今ですが、今回は「女性×診断士」という切り口で書いてみたいと思います。

ボリュームが大きくなりそうなので、今回は「他士業との比較を通じた診断士×女性」という切り口で書いていきます。

次回は少々乱暴であることを承知の上で、「女性経営者×女性診断士」の可能性について触れたいと思います。

結論を申し上げると、
・受験者、合格者ともに女性が絶対数でも割合でも増加している。
・でも他士業と比較するとまだまだ少ない
ということがいえそうです。以下、詳しくみていきましょう。

 

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営業職から中小企業診断士への転身

営業職と中小企業診断士。あまり共通点がないように思われるかもしれませんが、実はこの2つの仕事には多くの共通点があると考えています。さらに、営業職ならではの苦しみ・葛藤は、意外と診断士の仕事では緩和されるかもしれません。営業職は好きだけど悩みもある…という方はぜひご覧ください。

【2023年4月3日 投稿】
【2023年5月1日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森です。
今回は「営業職と中小企業診断士」というテーマでお話してみたいと思います。

営業職と中小企業診断士にはあまり共通点がないため、営業職から中小企業診断士に転身する人は少ないと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、私は双方に活かせるスキルがあると考えています。

どんな部分がそれぞれの仕事に活かせるスキルになるのか、そして営業職から中小企業診断士に転身する理由、営業職と共通する中小企業診断士のやりがいなどを考察します。

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AIに代替されにくい中小企業診断士という仕事

【2023年3月3日 投稿】
【2024年5月16日 更新】

大変ご無沙汰しております。石川県の中小企業診断士の森です。
更新ができておらず申し訳ありませんでした。
更新していなかった時期のことも含め、
少しずつまた皆さんに情報をお届けしていきたいと思います。

今日は最近特に注目を集めている「AI(人工知能)」についてです。
直近ではAIチャットボットである「ChatGPT」が
大きく注目されています。

一方で、AIに代替されにくい仕事として、
中小企業診断士が注目されているのはご存じでしょうか。

日経新聞「AI時代のサムライ業(上)代替の危機 新事業に挑む(2017年9月25日記事)」より引用

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中小企業診断士資格取得後のキャリア形成(新卒診断士)

一般的に30代以上で取得されることが多い中小企業診断士ですが、筆者は新卒で中小企業診断士の事務所に就職し、24歳で資格を取得しました。診断士として5年、6年と経験を積む中で、バックグラウンドを全く持たない診断士がどのようにキャリアを蓄積していったのか、また今後のキャリアをどのように考えているのかを記載しています。

【2020年7月18日 作成】
【2023年7月11日 更新】
【2024年5月29日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

以前この記事は中小企業診断士の資格を取得してから7年半の時点で作成しましたが、10年を超え、また記事作成から3年が経過したということで更新してみたいと思います。

 

また一次試験の日が近づいてきました。今年からは金沢でも受験が可能となり、
名古屋や大阪、東京まで出なくてよくなったので地元の受験者にとってはかなり楽になると思います。

一次試験は勉強時間と結果がある程度比例関係にあると思っております。
最後まで諦めず、1歩ずつでも着実に進んでいきましょう。

 

さて、多くの方は中小企業診断士という資格をご自身のキャリアの一環として捉えられていると思いますが、診断士として活動している身として、また資格を通じて夢を叶えることを応援する企業として、資格取得後のキャリアの状況について書いていきたいと思います。

(今日は私(森)の分ですが、シリーズ化して他の診断士についてもお話できればと思います)

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中小企業診断士は浅く広く?狭く深く?

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

 

新型コロナウイルスの影響、皆さんお住まいの地域では
いかがでしょうか。
これまでと生活や時間の使い方が大きく変わった方も
多いのではないでしょうか。
中小企業診断士の一次試験まで、通常ならあと3ヶ月。
周りの変化に流されず、やるべきことを一つずつ
こなしていただければと思います。

さて、今回は「中小企業診断士の仕事の範囲」
について書いていきたいと思います。

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副業としての中小企業診断士

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

 

新型コロナウイルスの影響、皆さんの側では
いかがでしょうか。
弊社のある石川県は、早い段階から感染者数が
急増した影響で「特定警戒都道府県」に
指定されております。

観光関連産業や飲食業などの業種を中心に
大変厳しい状況となっております。

このような時、我々中小企業診断士としては
できることが限られており、大変歯がゆい思いがあります。
一刻も早く、もとの生活に近い状況に近づくことを
祈っております。

 

さて、今回は「副業としての中小企業診断士」
についてお話していきたいと思います。

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平時と有事での中小企業診断士のあり方

中小企業診断士の森研介です。

前回の投稿からかなり時間が空いてしまいました。
しっかりと定期的に投稿を継続していきます。

 

さて、投稿が空いてしまった間に世の中では
新型コロナウイルスの感染が急速に広がりました。

私が聞く限りでは、ほぼすべての業種で
何らかの影響を受けていらっしゃいます。

今回の件による倒産や雇用の減少を防ごうと
様々な施策が打ち出されておりますが、
いつまで感染拡大が継続するかもわからず
おさまったとしても消費が戻る時期は
さらに先になると考えられることから、
まだしばらくは厳しい状況が続きそうです。

今回は、平時と有事における中小企業診断士の
あり方について書いていきます。

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中小企業診断士は激務か?

中小企業診断士の資格取得を検討されている方の中には、「診断士は激務ではないのか?」ということを懸念されている方が少なからずいらっしゃるようです。「激務でもその分たくさん稼げるならいい!」「それほど稼がなくてもいいからほどほどに働きたい」いろんな働き方があると思いますが、データの面から「診断士と激務」を見ていきます。

【2020年2月5日 作成】
【2024年2月4日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森です。

 

中小企業診断士に関連して検索されているワードに「中小企業診断士 激務」というものがありましたので、今回はこれについて書いていきたいと思います。

 

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中小企業の改革は必要なのか?

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

中小企業診断士の勉強をしている方であれば
ご覧になった方もいらっしゃると思うのですが、
今年9月より、東洋経済オンラインにて
デービッド・アトキンソン氏による中小企業に
関連する記事がいくつか投稿されております。
(興味のある方はこちらからご覧ください)

我々中小企業診断士の中でもこの記事のことは
話題になっていて、弊社でも週礼にてこの話題が
上がったことがありました。
この相談室のコンセプトとは外れる部分もありますが、
我々の仕事そのものの理念にも関わってくる部分なので
今回はこのテーマを取り上げたいと思います。

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「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み(その2)

一般的に中小企業診断士はそれまでのキャリアをバックグランドとして独立される方が多い仕事です。しかし、私のように新卒から中小企業診断士になり、専門性を模索しながら活動する、というケースも存在します。今回の記事では、診断士に興味を持つ学生さんや社会人になったばかりの方に向けて私のキャリアを紹介しています。

【2019年11月13日 投稿】
【2024年5月16日 更新】

こんにちは。
迅技術経営の森です。

前回、新卒で完全未経験だった森が資格取得以降、どのような仕事をしてきたのかについてお話しました。
記事はこちらからご覧いただけます

今回はその続きとして、現在の日常での仕事のしかたについて書いていきたいと思います。
(前回も書きましたが、あくまで一例だと思ってください)

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「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み(その1)

一般的に中小企業診断士はそれまでのキャリアをバックグランドとして独立される方が多い仕事です。しかし、私のように新卒から中小企業診断士になり、専門性を模索しながら活動する、というケースも存在します。今回の記事では、診断士に興味を持つ学生さんや社会人になったばかりの方に向けて私のキャリアを紹介しています。

【2019年11月1日 投稿】
【2023年4月17日 更新】
【2024年5月16日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

10月20日に中小企業診断士の二次試験が実施されました。
受験された皆様、感触はいかがでしたでしょうか?

さて、中小企業診断士を目指している方の中には、大きく分けて「企業内に残る(キャリアアップのために受験)」方と「(将来的に)中小企業診断士として活動する」方がいらっしゃるのではないかと思います。

今すぐではなくても、中小企業診断士として中小企業の支援に携わりたい!
という気持ちをお持ちの方も多いことと思います。
ただ、そうした方の共通の悩みに、「実際に中小企業診断士がどんな活動をしているか、どのように経験を積んでいるかわからない」
というものが多いのではないでしょうか。

かく言う私自身がそうでした。

なので今回は、大学時代に中小企業診断士を目指し、新卒で中小企業診断士事務所に入社し、現在中小企業診断士として6年半が経過したという森の視点から、中小企業診断士としての活動をご紹介したいと思います。
(診断士としての働き方は本当に多様なので、あくまで数ある中の一例として捉えていただけると幸いです)

その2はこちらからどうぞ

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若手(20代、30代)の中小企業診断士に需要はあるのか?

こんにちは。中小企業診断士の森です。

私は2013年2月に、当時25歳で中小企業診断士に登録しました。
現在(2019年9月)、私は31歳になり、中小企業診断士として7年目を迎えています。

J-Net21様が公表している「データでみる中小企業診断士2016版」
によると、
50代が最も多く29.1%、次に60代(25.6%)、40代(22.9%)と
続いており、40代~60代で全体の4分の3以上を占めていることがわかります。
30代以下では約10%、20代に至っては0.6%しかいません。

この結果は企業内診断士として活動されている方も含んだ統計ですので、
本当に中小企業診断士の業務を行っている方ではもう少し変わってくるかも
しれません。
しかし、中小企業診断士の世界では30代以下は少数派、という
全体的な傾向は変わらないのではと思います。

今回は、このようなかなり少数派の若手中小企業診断士の需要について、
実体験を基にお話していきたいと思います。
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中小企業診断士の募集

【2019年5月30日 投稿】
【2024年5月16日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

中小企業診断士の募集は、いつ実施されて、具体的にどんな仕事が募集されていますか?

そんな質問を受けることがあります。

この質問は、中小企業診断士を目指している方というより、中小企業診断士として登録されて間もない方からお受けします。

個人的見解ですが、中小企業診断士に登録したものの、登録前とあまり環境が変わらないので何とか環境を変えたいという方が多いのではとお見受けしています。

中小企業診断士はどんな形で募集されているのだろう。そう思ってネットで検索してもこれはと思った情報が検索されないので聞いてみようという流れではないかと思っています。

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