中小企業診断士の西井克己です。
タイトルの中小企業支援について(実務前と実務後の違い)
中小企業診断士を勉強している方にとって
中小企業診断士はどのようにして中小企業の支援をしているのか
とても興味のあることと思います。
私自身が感じたことを少し記載したいと思います。
〇実務前に考えていたことと現実とのギャップ
・実務前
中小企業診断士を目指していたころは、上場企業のサラリーマンであったため、ある程度の方向性を示すことで、物事が動く状態でありました。
このため、あるべき姿の方向性を見つけ出すことが重要な役割であると思っていました。
経営改善に関しても、苦しくなったことの要因を明らかにしていくことが最重要課題であると思っていました。
・現実
キーワード 「段取り8分」
「一緒に汗をかく」
中小企業は、大企業と違い事前情報がほとんどない状況でありました。
このため、正確な情報を得ることから始める必要がありました。特に私は、ノウハウや経験を持つわけではなかったため、中小企業経営者とお会いする前にできる限りの情報を得ることに注力しました。決算書やホームページによる情報収集は当然のこと、外部市場データも事前に準備しました。
独立1年目は、準備段階で相当な時間をかけて面談に臨んでおりました。中小企業経営者と面談するときは、当初はできる限り聞き手に回り、ある程度会話ができる雰囲気を作ることに注力しました。私は若手(当時30歳)であったため、わからないことはそのままわからないと答えるようにしておりました。
また、たとえ自分の得意な業界のお客様であっても、自分の知識や情報を先にお話しするのではなく、あくまで聞き手のスタンスを取っておりました。お客様から正確な情報を提供していただくためには、こちらからもできる限り情報提供を行う必要があるため、お客様から頂いた決算書を同業他社の経営指標と比較し、その結果を説明することは、創業以来必ず行っております。
さらに、正確な情報把握のためには、ある程度のデータをお客様から提供いただく必要があります。
しかし、小規模のお客様は、そのようなデータをお持ちでないことが多く、データをいただくのではなく、必要なデータをこちらで作成するなど、お客様とともに汗をかきながら仕事を行うことも少なくありません。
弊社も中小企業診断士を3名育成しておりますが、お客様の顧客別売上情報を得るために、請求書の控え(コクヨなどの複写式のもの)が入った段ボールを預かって、ひたすら打ち込むということを初期に経験していただいています。
試験勉強されている方がイメージしている診断士の姿よりも、実態は泥臭いかもしれませんね。
泥臭いけどその分、お客様の行動が変化したり、売上や収益が上がったときの喜びも大きいですよ。
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