こんにちは、士業育成システムや恩送りを通じて
経験の有無にかかわらず、中小企業や地域の支援に対する
思いの実現を支援している迅技術経営の森です。
少し前の話になりますが、今年も中小企業診断士の一次試験が
8月5日、6日の日程で開催されました。
そして、来週9月5日に結果が発表されます。
受験された方はすでに二次試験対策に目を向けていると
思いますが、今日は一次試験について聞かれることが
非常に多い、
「一次試験の内容って実務に役立つの?」
という疑問に答えてみたいと思います。
なお、診断士に求められる役割については、
こちらの記事をご覧ください。
中小企業診断士は浅く広く?狭く深く?
目次
1.一次試験の概要
まずは、もうご存知だとは思いますが、
一次試験の内容について改めて振り返ってみましょう。
一次試験は以下の7科目で構成されます。
A 経済学・経済政策
ミクロ経済、マクロ経済
B 財務・会計
会計(簿記)、ファイナンス
C 企業経営理論※
経営学全般
D 運営管理(オペレーション・マネジメント)※
製造業の生産管理、小売・流通業などの運営管理
E 経営法務
機関設計、知的財産権
F 経営情報システム
情報通信技術、経営情報管理、
G 中小企業経営・中小企業政策※
中小企業白書、小規模企業白書に記載された統計、
各種中小企業支援施策
※がついている科目は90分、それ以外は60分
マークシート方式、計算機などの使用は不可、
各科目100点満点で60点以上で科目合格、
全科目合計420点以上で一次試験合格です。
また、たとえ全科目合計が420点以上でも
1科目でも40点未満があれば一次試験合格とは
なりません。
2.一次試験で出題される内容
試験方式がマークシートであることからも
わかるとおり、いわゆる「暗記物」と呼ばれる
内容が多いことが特徴です。
財務・会計など、一部の科目で計算が必要と
されることもありますが、
基本的には応用ではなく持っている知識を
問題に照らし合わせてアウトプットする
という形式の試験です。
テキストも資格学校各社から出されており、
記載されている内容の資格学校ごとの違いも
それほど大きくないように感じます。
3.一次試験と実務の関係
今回の主題である「一次試験は実務に役立つのか?」
という点に迫っていきたいと思います。
かれこれ10年以上実務をやっている中での所感としては、
「100%ではないけれど意外と役立つ知識が多い」
です。
科目によっても異なりますが、
特に財務会計や経営法務に関しては
経営者さんも十分な知識を持っていないことが多く、
また政策によって変化することも特徴です。
会話の流れで、
「この会計処理ってどうしたらいいんでしたっけ?」
「商標って何年有効なんでしたっけ?」
という質問を突然受けることは結構あります。
経営者さんからすると、◯◯のことは◯◯士、
△△のことは△△士、といった使い分けは非常に面倒です。
深い知識までは必ずしも求められないでしょうが、
経営全般に関わる知識を広く求められる立場にある
という点で、一次試験の知識が役に立ちます。
また、診断士の重要な役割の1つが
「問題点や課題を整理すること」だと思います。
整理するにあたっては何らかの「軸」を活用すると便利で、
この軸になりうるのが企業経営理論で学ぶ
いわゆる経営学全般の知識になると思います。
企業経営理論で学ぶ内容だけで十分とは思いませんが、
最低限持っているべき知識だと感じています。
4.おわりに
これまで挙げてきたように、
意外と一次試験と実務は繋がっている部分が
多いのではないか、と考えています。
とはいえ、やはり実際の経営の現場を見る中で
血肉になっていくことの方が圧倒的に多く、
一次試験で得てきた「知識」を現場で使える「知恵」に
変換していくことが、資格取得後の課題になるのでしょう。
また、経営者さんは診断士に対して
「なんでも答えてくれる人」という期待を持っています。
その期待を上回り、満足・感動を感じていただけるよう
資格取得後も知識の充足も並行しなければなりませんね。
弊社(迅技術経営)では、性別や学歴に関係なく、
士業資格(中小企業診断士、税理士、社会保険労務士)
の取得を通じて地域のために貢献したいという方に対して、
「士業育成システム」による支援を行っています。
資格を取得して一人前になった後は、
自らの故郷などで皆様の力を還元する取り組みも行っています。
採用も随時行っておりますので、こちらの採用ページを
ご覧ください。