中小企業診断士資格取得後のキャリア形成(新卒診断士)

一般的に30代以上で取得されることが多い中小企業診断士ですが、筆者は新卒で中小企業診断士の事務所に就職し、24歳で資格を取得しました。診断士として5年、6年と経験を積む中で、バックグラウンドを全く持たない診断士がどのようにキャリアを蓄積していったのか、また今後のキャリアをどのように考えているのかを記載しています。

【2020年7月18日 作成】
【2023年7月11日 更新】
【2024年5月29日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

以前この記事は中小企業診断士の資格を取得してから7年半の時点で作成しましたが、10年を超え、また記事作成から3年が経過したということで更新してみたいと思います。

 

また一次試験の日が近づいてきました。今年からは金沢でも受験が可能となり、
名古屋や大阪、東京まで出なくてよくなったので地元の受験者にとってはかなり楽になると思います。

一次試験は勉強時間と結果がある程度比例関係にあると思っております。
最後まで諦めず、1歩ずつでも着実に進んでいきましょう。

 

さて、多くの方は中小企業診断士という資格をご自身のキャリアの一環として捉えられていると思いますが、診断士として活動している身として、また資格を通じて夢を叶えることを応援する企業として、資格取得後のキャリアの状況について書いていきたいと思います。

(今日は私(森)の分ですが、シリーズ化して他の診断士についてもお話できればと思います)

1.これまで

・大学在学中に中小企業診断士の勉強を開始する。
・1回目は一次試験は合格したものの、二次試験は不合格。
・勉強2年目の時に今の会社に入社し、その年に二次試験合格&登録(当時24歳)。
※実務補修を受けずに登録する方法についてはこちらをご覧ください。
「中小企業診断士の実務補修を受けずに登録しました」
・2年目(25歳の終わり頃)から少しずつ一人でお客様対応を
するようになる。
・一人で活動し始めてから3年程度は支援機関からの専門家派遣業務が中心。その後、少しずつ民間のお客様が増える。

詳細は以下の記事をご覧ください。
「未経験で中小企業診断士になる モデルケース(新卒)」

 

2.現在

・35歳(診断士取得から約10年半が経過)
・ほぼすべてを一人で活動する。
・公:民間=6:4
・支援先の業種は偏りなし。
(若干製造業が多いですが、これは石川県内の産業や弊社のこれまでの支援業種の影響が強いと考えられます)
・次のキャリアを考え、2023年3月に大学院修士課程を修了。
・個々の企業に対する支援の他に、支援機関経由のセミナー講師も年間5~10件程度務めさせていただいております。
・自社の事業として戦略マネジメントゲームを7年ほど前から実施。

 

3.キャリア① ~がむしゃら期(25歳~27歳頃)~

私は東日本大震災を契機に、地方の中小企業が今後のずっと事業を続けていくためのお手伝いをしたいと思い、診断士を目指し始めました。

既にこのブログにも何回か書きましたが、新卒で今の会社に入り、社会人生活を経ないまま中小企業診断士になったので、診断士としての活動に役立つようなキャリアは持っていませんでした。

診断士として活動するようになってから数年間はとにかく経験を重ねることが大事だと思い、業種や支援の内容にかかわらず何でも受けていました。

特に、診断士2年目くらいから「ものづくり補助金」ををはじめとする各種の中小企業支援施策が開始され、そういった補助金などの申請をお手伝いする中で
様々な業種の内情について勉強しました。
今から振り返ると、様々な業種で今後の方向性について前向きに考えている方々と出会えたことは大いに役に立っているように感じます。

 

4.キャリア② ~モヤモヤ期(28歳~30歳頃)~

なんでも仕事を受けていた一方、キャリアという観点では、お恥ずかしながら十分に検討を重ねることができない時期でもありました。

業種の切り口で深めていくのか、支援内容の切り口で深めていくのか…
もともと思いだけで始めたため、大いに悩んだ期間でした。

なかなか支援に対する軸も持てておらず、仕事はありがたいことに増えてはいて、
民間契約のご縁をいただく機会も増えていましたが自分の中では「何かを積み上げた」ということがなかなかできない期間でした。

 

5.キャリアの明確化 ~活動期(31歳~現在)~

モヤモヤとした期間が続いている中で考えるようにしていたのは、自分のルーツをさかのぼってみることでした。

自分がこれまで何を考えてどのような決断をしてきたのか、また自分の親や家系にもさかのぼって、自分がどのように生まれ育ってきたのか。そんなことを考える機会が増えていました。

そのような時間を持つ中、31歳の時にストンとお腹に落ちる今後進みたいキャリア像が明確になりました。
その時は明確な姿にはなっていませんでしたが、その後も自分の中で考えたり、人に話したりしながら、少しずつやりたいことの具体化とその実現方法を考えていきました。

地方の持続性を将来にわたって確保するために、医療・福祉の業界における経営や政策についての分野を深堀りしていくことにしました。

その後実現に向けた第一ステップに進むことが決定し、2021年4月から大学院修士課程に進学しました。

そして2023年3月、無事修士課程を修了しました。
当初描いていた大学院での研究内容とは結果的に異なってしまいましたが、ヘルスケア領域について幅広く知識を習得し多くの友人を得られたことは何よりの果実です。

また、ライフワークに…と考えていた教育関係に関しては、大学院での研究内容と重なる部分も多く、今後関わりを増やしていきたいと考えています。

大学院の間は仕事のボリュームを半分程度まで減らしていただいていましたが、
2023年4月からは本格的に仕事を再開しています。
いろいろな方に対して、大学院での経験を活かしてヘルスケア関係の支援をしたいですとお伝えしていたところ、素敵なご縁もいただけております。

 

6.さいごに

現在進行系での話のため、脈絡なく終わってしまいましたが、診断士としてどのように世の中に貢献していくかということについては無限の選択肢があり、どれも正解です。

資格取得に向けて勉強中の方、勉強を始めようか迷っている方、資格を取得して活かしたいと思っている方、いろいろな立場の方がいらっしゃるかと思います。
少しずつでも自分との対話やそのアウトプットに取り組み、長期的なあるべき姿をブラッシュアップしていきましょう。
(最初から完璧なあるべき姿を持てる方が極々少数だと思います。自分に問いかけ、他者に話してフィードバックを得ながら、少しずつ磨き上げるしかないのかもしれませんね)

森の今後については、この記事を更新していく形で随時発信していきたいと思います。

また、弊社の他の診断士のケースもここで紹介していければと考えていますが、いずれも道半ばばかりだと思います。

他にも「こんなことを聞いてみたい」「こんなことが知りたい」ということがあれば、コメントでいただけますと幸いです。

もし中小企業の支援をしたいという思いを持ちながらも、「未経験だから」「今までに関連する仕事をしたことがないから」といったことで悩んでいる方がいらっしゃるのであれば、まずはご相談いただければと思います。

弊社の士業は、いずれも少し変わった経緯でなった者が多いので、何か気づきを得ていただけるかもしれません。

お問い合わせはこちらから、ぜひよろしくお願いいたします。

また、弊社という場を通じて士業資格を取得し、地域に還元したいという思いを持つ方がいらっしゃいましたら、こちらの採用ページをご覧ください。

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