こんにちは、中小企業診断士の小川です。
弊社(迅技術経営)は、士業資格をすでに持っている方ではなく、資格も経験もないが将来的に資格を取得して、中小企業や地域のために貢献したいという方と一緒に働きたいと考えています。
弊社の士業育成に対する考え方や独自の制度である士業育成システム®、弊社の特徴についてはこちらの採用ページや知的資産経営報告書に記載されておりますので、そちらをご覧ください。
いきなり弊社の宣伝から始まってしまいましたが、今回の記事は弊社の採用の特徴でもある「未経験」と士業にとって切っても切り離せないテーマである「専門性」について書いていきたいと思います。
目次
1.専門性は必要か?
結論を言えば、士業として活動していく上で何らかの専門性は必要になってきます。ただしそれは、士業として活動する直後から必要となるわけではありませんが、どこかのタイミングでは必要になる、ということだと認識しています。
専門を身につける軸としては、「業種軸」、「支援内容軸」、「地域軸」の3パターンがあると思っています。
・業種軸…製造業に強い、建設業に強い、飲食業に強いなど、特定の業種について多くの知識を持っており専門とするパターン
・支援内容軸…人事制度、マーケティング、原価管理・現場支援、戦略策定など、業種にかかわらず存在する特定の経営課題を専門とするパターン
・地域軸…業種軸に近いものがありますが、特定の地域の事情に精通しており前段階の状況把握などを大きく省略できるパターン
個人的にはどの軸でも構わないと思いますし、複数掛け合わさっていればベストですが、1つでも十分だと思います。
見ていただいておわかりになるかと思いますが、「専門性」は事業者さんと比較して、また他の士業と比較して多くの知識(経験を含む)を持っており、それを活用することができる分野、ということを意味しているといえます。
裏返すと、「専門性がない」ということは、支援先の事業者さんや他の士業と比較して知識が深い分野がないということになります。
税理士や社会保険労務士、行政書士、弁護士といった士業資格は、一般の人にはなかなか理解することが難しい法律の壁があり、それを当人に代わって考えたり手続きしたりする、という性質があるため、「専門性」はとてもわかりやすいです。
一方中小企業診断士は、よくいわれるように独占業務がないため、その資格のみをもって専門家とは表現しづらいのが実情です。このため、各々がそれぞれの背景や能力的な強みを活かして専門性を表現しています。
お客様である事業者さんにとっても、自分たちが抱える課題に対して的確に応えてくれる専門家を探そうと考えると、その道に詳しそうな方を探そうという気持ちになります。
そういう意味では、診断士の場合は「診断士」という資格によるシグナリングだけでなく、「どのような方向の知識を有しているか」というシグナリングも必要だ、ということになりますね。
2.未経験で資格を取得した士業はどのように専門性を身につけたか?
最初でも書きましたが、弊社は未経験でも中小企業や地方のために貢献したいという思いを持つ方を中心に採用して、切磋琢磨しながら一人前の士業に育っていただけるように支援をしています。
かくいう私(小川)もその一人ですが、ここでは未経験で資格を取得した私が専門性(といえそうなもの)を身につけた過程を少しご紹介します。
詳細はこちらをご覧ください→診断士資格取得後のキャリア形成(新卒診断士)
①資格取得直後(がむしゃら期)
資格取得時点では25歳になる年でしたので、ろくに経験もない若造になんの支援を求めてくるのだろうかと不安でした。
自分にはとにかく経験が必要だと感じていたため、公的機関などからくる仕事は基本的に断らず、何でもがむしゃらにやってみるということを心がけていました。結果的にこの時期に様々な業種の方々と関わる機会をいただけたこと、また様々な業種や業界について勉強したことは、今(30代なかば)になってとても生きています。
②資格取得から3~5年(モヤモヤ期)
ひと通りの支援ができるようになってくると、資格取得前に考えていた「専門性」についてまた考えなければならないと感じるようになりました。
このまま同じような仕事をすることも可能なのでしょうが、どうしても小手先で支援しているような感覚が拭えず、もう少し土台のある支援ができないと存在価値がなくなると感じたことが理由です。
とはいっても、新卒で診断士になったため職業的な背景を持たず、よくいえば可能性が広い、悪くいえば決め手に欠ける状況でしたので、得るべき専門性に悩んだ時期でした。
③資格取得から6~10年(キャリアが明確になった時期)
先に挙げた以前の記事に記載していますが、結論としては自分は自分のルーツから専門性を見つけ(決め)ました。決めてからは、通常の業務の中ではなかなか専門的な知識が学べないことがわかっていたため、大学院に通いました。
修士課程終了後は、これまで通りの業務もしながら、一部その専門性(医療・介護・福祉)を活かした仕事もしています。この分野は国の制度が大きく反映される業種ですので、その分野の過去・現在・未来や特性を事業者と(少なくとも)同じレベルで把握している診断士というのは、少なくとも近隣にはいないのだと思います。
3.おわりに
振り返ってみるとその時々でいろいろ悩みながら、方向性が定まった後はひたすら動きながら、ここまで来たのだと思います。
これが唯一解ではありませんのであまり参考にはならないかもしれませんが、最初から経験や専門性がなくても士業としてひとり立ちできたという証拠にはなると思います。
学生の方、すでに社会で活躍されている方、様々なハードルを抱える方、どのような属性の方であっても、「地域や地方、そこで活動されている方々のために、自身や資格の力を活用したい」という方と一緒に働くことができればと思っております。
石川県という地方の、しかも10人にも満たない会社に対してアクションを起こすことは勇気がいると思いますが、「小さな一歩」を踏み出してみませんか?
オンラインでも対面でも、弊社の士業と話すこともできますので、ぜひお問い合わせはこちらから、お待ちしております。
興味を持っていただいた方は、迅技術経営の採用ページもご覧ください。
また、弊社の採用については、以下の記事もご覧ください。
・「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み
・士業資格取得後のキャリア(社会保険労務士編)