こんにちは。
士業として中小企業を支援したい、中小企業支援を通じて地域の発展に貢献したい、
そんな思いを実現したいという方に対して恩送りや士業育成システムを通じてお手伝いする迅技術経営の森です。
本当に早いもので、私は2013年2月に中小企業診断士として登録し、この記事の公開時点(2024年2月)で11年になります。
正直なところ、診断士になったときには10年という時間はあまり想像できていませんでした。
しかし、ありがたいことに多くの経営者さんと長いお付き合いをさせていただくご縁をいただくことができ、診断士(もしくは士業)としてとても大きな、でも当事者にならなければなかなか実感できない「魅力」があると思います。
そこで今回は、「長期間の支援」というテーマで書いてみたいと思います。
興味のある方は以下の記事もご覧ください。
中小企業診断士という仕事のモチベーションの保ち方
中小企業診断士という仕事をこよなく愛する人
【中小企業診断士の仕事がない】取っても食えない?
目次
1.中小企業診断士の魅力
今回の記事を書くにあたって、まず「中小企業診断士 魅力」というワードで同じようなことを書かれている記事があるか調べてみました。
魅力として挙げられていた主要なものは以下のとおりでした。
・経営やマネジメントに関する全体的な知識が身につく
・ネットワークが広がる
・年収がアップする
・独立につながる、キャリアアップにつながる
検索上位20件ほどを調べてみましたが、「中小企業診断士という資格を通じてできること、変わること」という視点のものが大半でした。
意外と「中小企業診断士として(長期的に)活動することでどのような貢献ができるか」という視点で書かれているものはありませんでした。
このため今回の記事ではこの視点から中小企業診断士という資格を眺めてみたいと思います。
2.中小企業の支援者・関わり方
まず、改めてにはなりますが、中小企業を取り巻く支援者の種類と概要を整理したいと思います。
・公的機関
各都道府県に設置されている中小企業支援機関、よろず支援拠点や、各地の商工会議所、商工会、中小企業団体中央会などがそれにあたります。
公の機関ですので、公平な第三者としてアドバイスします。また、必要に応じて各種の専門家を紹介・派遣したりもします。一方で、公平性の観点から特定の会社に偏った支援をすることは難しいという側面があります。
・金融機関
中小企業支援者の重要な役割を担っているのが金融機関です。資金を貸す/借りるという関係ですので、利害関係者でもあります。
最近は金融業だけでなく、コンサルティングやM&Aの斡旋などといったサービスを提供する金融機関も増えてきました。組織の規模が大きいため、マンパワーを活かした支援や高度な専門性を持つ方を首都圏などから招聘するような支援も行っています。
・士業
中小企業診断士、税理士、社会保険労務士、弁護士、行政書士、司法書士などといった士業も中小企業の支援者です。税理士や社会保険労務士は定型業務があるため、他士業と比較すると接する機会が比較的多いといえそうです。
中小企業診断士には定型業務はありませんが、顧問契約を結んでいる場合は、定期的にお伺いすることが多いという意味で、税理士や社会保険労務士と近いポジションといえるかもしれません。
3.「長期間の支援」を通じた魅力
前項で中小企業の支援者を大きく3つに分類しました。この中で私が感じているのは、「利害関係のない第三者」かつ「長期間・定期的な関係を構築できる」のは、士業ならではのポジションであり、中でも診断士は特徴的な関係を構築しやすいということです。
公的機関は利害関係のない第三者ではありますが、特定の企業に偏った支援は難しく、担当もずっと同じというわけではないかもしれません。
金融機関は資金の貸し/借りという利害関係があるほか、定期的な異動もあるため個人単位での関係はリセットされてしまいます。
士業は第三者ではありますが、定期的な関係を構築できるという意味では限られています。また、税理士や社会保険労務士は定型業務が関わりのメインになりがちな側面があります。
(もちろんいずれにも例外はあり、そうした部分は捨象して記載しています。またいずれの立場にもその理由があってそうしていることですので、単純な良い/悪いの話ではありません)
中小企業診断士として経営者や従業員の方々と関わるということは、他のポジションにはない特徴を持っています。そしてそれが、診断士として長期間関わり続けるメリットにつながると考えています。
私も診断士として10年あまり活動する中で、支援開始当初に担当されていた公的機関や金融機関の担当者さんが、支援を継続していく中で(ときには何度も)変わっていき、私が最も長いお付き合いになったケースを多く見てきました。
やはり経営者の方々は、長いお付き合いをする中で少しずつ支援者のことを信頼し、いろいろなことを相談できるようになっていくことが多いと思います。
また、どうしても人と人とのお付き合いなので、合う方/合わない方という相性があることも事実です。
これは、おそらくある程度長い期間診断士として支援をしてきた方であれば、大なり小なり感じていらっしゃることと思います。
中小企業診断士の資格を取得して、経営者の方々とどのようなお付き合いをしていきたいのか、三次元的に考えてみるとまた新しい気付きがあるかもしれませんね。
4.おわりに
資格取得を目指す段階では、どうしても資格を取得して自分がどう変わるかという視点で見てしまいがちです。
なかなか難しいことではあるのですが、資格取得後にどのような形で支援をし、関わった会社さんがどうなっていってほしいのか、ということも考えていただけるといいと思います。
弊社(迅技術経営)では、性別や学歴に関係なく、士業資格(中小企業診断士、税理士、社会保険労務士)の取得を通じて地域のために貢献したいという方に対して、「士業育成システム」による支援を行っています。
資格を取得して一人前になった後は、自らの故郷などで皆様の力を還元する取り組みも行っています。
採用も随時行っておりますので、こちらの採用ページをご覧ください。