こんにちは。中小企業診断士の森研介です。
新型コロナウイルスの影響、皆さんお住まいの地域では
いかがでしょうか。
これまでと生活や時間の使い方が大きく変わった方も
多いのではないでしょうか。
中小企業診断士の一次試験まで、通常ならあと3ヶ月。
周りの変化に流されず、やるべきことを一つずつ
こなしていただければと思います。
さて、今回は「中小企業診断士の仕事の範囲」
について書いていきたいと思います。
目次
１．他の国家資格と比較した中小企業診断士資格
一般的に、国家資格に分類される資格の多くには、
独占業務が付随しています（業務独占資格）。
いくつか資格での独占業務（一部）を挙げたいと思います。
公認会計士…財務諸表監査業務
弁護士…折衝、裁判所への出廷、刑事事件への弁護
税理士…税務の代理、税務書類の作成、税務相談
司法書士…登記、供託に関する手続きの代理、法務局に提出する書類の作成
行政書士…官公署に提出する書類の作成、手続き代理
弁理士…特許権等の産業財産権に関連する手続きの代理
ここに取り上げた以外にも、医師や歯科医師などにも
独占業務が存在します。
一方、中小企業診断士には「中小企業診断士法」
なるものは存在せず、こうした法的な根拠を持つ
独占業務は存在しません。
ちなみに、根拠法となっている「中小企業支援法」及び
「中小企業支援事業の実施に関する基準を定める省令」には
中小企業診断士について以下のとおり記載されています。
～～～以下引用～～～
（中小企業の経営診断の業務に従事する者の登録）
第十一条 経済産業大臣は、中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言（以下単に「経営診断」という。）を受ける機会を確保するため、登録簿を備え、中小企業の経営診断の業務に従事する者であつて次の各号のいずれかに該当するものに関する事項を登録する。
（中小企業支援法より）
～～～引用終了～～～
ご興味がある方は、e-Govからご覧ください。
中小企業支援法
中小企業支援事業の実施に関する基準を定める省令
２．独占業務がなくても大丈夫なのか？
この点については、以前に弊社の西井がこのブログで
記事を書いております。基本的には私も同意見ですので、
もしよければご参照ください。
中小企業診断士は独占業務がなくても大丈夫（クリックすると記事に飛びます）
３．中小企業診断士に求められる役割
これまでに見てきたとおり、多くの国家資格には
独占業務がありますが、中小企業診断士にはありません。
また、経営コンサルティングという業務については、
税理士や社労士、弁護士などといった他士業も進出しています。
このような中で、中小企業診断士に求められるのは
経営者とともに未来を描くことと、必要な方に
つなぐことだと感じています。
中小企業診断士は、試験の内容からもわかるとおり、
経営に関する幅広い知識を一定程度保有していることを
求められる資格です。
実際、実務においても「経営」に関する幅広い悩みを
ワンストップで引き受ける窓口としての機能が多分に
求められます。
診断士としては、目先の課題だけでなく、
経営者とともに長期的な会社の展望を描いて
その実現に向けて最善な方向性を見つけていくことが
使命だと（個人的にですが）感じています。
よき理解者として未来と課題を整理し、
必要に応じて適切な専門家にもチームとして
参画していただく。
この流れを作ることができるのは、
中小企業診断士という資格のとても良い部分
ではないかと思っています。
当然、企業の成長に応じて課題のレベルも
変わりますし、つなぐ機能だけではいけませんので、
全体的な視野を持ってともに描く力と
個々の課題に専門家として対応できる力の
両立が（特に専門家人材の少ない地方では）
必要になるのだと思います。
弊社では、「未経験だが中小企業の支援に携わりたい」という
思いを持つ方と一緒に働きたいと思っております。
ご興味のある方、聞いてみたいことがある方は、
ここをクリックしてください（問い合わせフォームにジャンプします）。
弊社の考え方や求める人材像などは、
こちらからご覧ください。
よろしくお願いいたします。