士業資格取得後のキャリア形成(社会保険労務士編)

弊社では「中小企業や地域の支援をしたいという思いはあるけど経験がない…」という方々に対して、思いや志を実現していただく環境を提供しています。今回は弊社の社会保険労務士が資格を取得するまでと取得してから現在に至るまでの変遷を紹介してくれましたので、皆さんにも共有したいと思います。

こんにちは。

未経験ではあるが中小企業の支援がしたい、中小企業支援を通じて地域活性化の役に立ちたい。
そんな思いを持つ方々に対して「士業育成システム」や「恩送り」といった「共育恩送」の考え方を通じて実現のお手伝いをしている迅技術経営の小川です。

このブログでは、「経験はないけれど中小企業や地域のためにこんなことがしたい!」という気持ちを持っていらっしゃる方々にめがけて、迅技術経営なりの視点から夢や志の実現の仕方を発信しています。
事例がたくさんあるわけではないので、社内から事例を1つでもご紹介できればと思い、以前「診断士資格取得後のキャリア形成(新卒診断士)」というタイトルで記事を書きました。
これは他でもない私(小川)自身が題材です。
他にも資格取得後のキャリア形成についても記事にしていますので、お時間があればご覧ください。

「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み(その1)
「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み(その2)

 

今回はその第2弾ということで、中小企業診断士ではありませんが、弊社の社会保険労務士の事例をご紹介します。

1.これまで

・ヘリコプターの整備士として最初に社会に出る。
・地元の製造業に勤務しながら社会保険労務士の勉強を開始する。
・勤務していた製造業を退職し勉強に専念したが、1回目の受験は不合格、2回目の試験で合格。
・29歳のとき、地元の社労士事務所など転職先を探したが見つからず、偶然迅技術経営のHPを見て応募し採用される。
・カバン持ち期間が2年ほどありつつ、社労士としての仕事を一人でするようになり現在に至る

 

2.現在(2024年6月時点)

・40歳。当社に入社し、社会保険労務士に登録してから10年経過
・公:民間=2:8
・支援先の業種は食品含め製造業が多い。他には、運送業、卸売業がある。
「職人の誇りと美徳で楽しくモノづくりをする人を増やす」という理想の基、通常の社労士業務(各種手続きや給与計算)のほか、人事評価制度や人材育成の支援、職歴を活用した製造業の現場改善や生産性向上支援、作業着を着て現場の社員の方と一緒に動く5S活動支援もしている。

 

3.キャリアの流れ

キャリア① 社会人経験と挫折

私は小学校の時からあまり勉強が好きでなく、流れるままに高校まで進みました。
それでも何か自分が楽しいと感じる仕事に就きたいと思い、ヘリコプターを扱う仕事に就くため専門学校に進み、順調に東京のヘリコプター運航会社に就職することができました。

実際にヘリコプターの整備をしたり、山小屋の荷揚げでヘリコプターに乗りながら仕事をしたりすることができましたが、技術も未熟で先輩方に怒られる日々が続きました。なかなか技術が上達せず、つらい思いをしながら一人暮らしをすることもないと思うようになり、せっかく入った会社を退職し、地元の製造業に就職しました。

今思えば自分が楽しいという自己満足だったために少しつらいことがあった時にもすぐにあきらめてしまったのだと思います。

 

キャリア② 社会人への疑問

地元の製造業に就職した後は塗装の仕事をしていました。塗装ロボットにプログラミングをしてロボットを操作することもありましたが、主はエアースプレーの手作業で工業製品を塗装する仕事でした。

組織的にあまりしっかりしたところではなかったので、塗装作業だけでなく、作業計画や検査、顧客との品質目合わせや試作もすることができ、ここで一通りの製造業支援ノウハウが身についたと思います。手作業が主だったので自分で工夫をしたり、廃材から治具を作ったりしたりと、ある程度自由に仕事が出来たこともあってそれなりに楽しく仕事が出来ていました。

一方で、働くためのルールや労働時間などは全く意識しておらず、給与明細を見たこともありませんでした。
ある時、業務命令で衛生管理者の資格を取ることを命じられ、その勉強をする中で労働基準法を知り、働くときの法律があるということを知りました。そして他の社員を見てみたとき、つまらなそうに仕事をしていたり、会社への愚痴ばかりを言っているような人があまりに多いことに気づきました。

人生の1/3の時間をこんな気分で過ごす人が何で多いのか、労働法を活用して仕事のルールなどを見直し、職場の雰囲気を変えることができるのではないか。そういう仕事があればいいなと思い色々調べていたところ社会保険労務士という仕事があることを知り、この資格を取って楽しく働ける人が増える社風を作ろうと決心しました。

 

キャリア③ 士業の厳しさを知る 29歳から36歳頃

製造の仕事も辞め勉強に専念した結果、何とか2回目の試験で社労士試験に合格しました。
試験さえ受かれば地元で働けると思っていたのですが、それまで書類作成や手続きなどを一切やったことのない人を採用してくれる士業事務所は無く、途方に暮れて職探しをしていたところで、「未経験者の募集」をしていた迅技術経営に入社することができました。

入社した後も基礎学力がない、言葉を知らない、文書を作成する力がないというところで相当な訓練をさせてもらいました(当社の議事録作成は士業育成の一つの胆です)。
それも何とか耐え、社労士として手続きや助成金業務をするようになりましたが、書類づくりや手続きだけでは食べていけない、得意でもないし特別好きになれない・・・と何となく自分の持ち味や理想を発揮することができないでいました。

 

キャリア④ 自分のスタイル・道を定める 36歳から現在

あるとき、当社と長年の付き合いがある大阪の中小企業診断士の方にある研修を勧められて受講しました。

そこでは無資格者でありながら人を大切にする「人本主義」を掲げ大きな成果を上げているコンサルタントの姿を目の当たりにしました。
企業の資本を大きくすることが成果ではなくそこで働く人や取引をする人の幸せを目的にする経営手法。数字でなく働く人の気持ちを高めることで業績も良くなる事例等を学ぶうちに、自分だからこそできることがあるのではないか、やりたいことをやってお役立ちできるのでないか、「社労士」という枠にとらわれ過ぎていたという気づきを得られました。

私の中で士業やコンサルタントとは、現場に入ってきても口だけの知識を振りかざして実際にやらない、「きれいなスーツを着て、実際にあんたはできるんか?」という反発心のようなものありました。
楽しく働く人を増やしたいという原点に立ち返り、現場で働く人と一緒に動きながら仕事の楽しさを伝えられる人になりたい。人を大切にして楽しく仕事が出来る会社をもっと広めたいと自分の目指す方向が明確になりました。

あるとき、工具を整頓する棚やテンプレートを自分で作ってお客様の現場に持っていたり、現場に工具を持ち込んで実際に作業をしながら5S研修をしてみました。社員の方と一緒に動けて自分の思いを伝えることができるという手ごたえを感じました。
おそらく作業着を着て現場に入る社労士はいないと思いますがこの時自分のスタイルが固まりました。今では人事制度や給与制度の構築など、書類づくりではない仕事もある程度多くなりましたし、週の半分ぐらいは作業着で仕事をしています。

 

4.終わりに

私(小川)もそうなのですが、根っこは昔から変わっていないものの、それに向けた道筋は決して一本道ではありません。でも、その根っこにある思いが変わらず、それを真剣に考える機会があれば、いずれその人なりの答えにたどり着けると信じています。

中小企業や地域のためにお手伝いがしたい。でも自分にはそんな経験もツテもないし、どうしたらそれができるのかわからない。
それでご自身の思いを諦めるのは本当にもったいないことだと思います。

できるかわからないけどチャレンジしてみたい、という方はコメントや採用ページへからぜひご連絡ください。
弊社ではご縁をいただいた方に対して、「壁打ち」と称して弊社従業員と対話していただく時間を設けております(もちろん無料です)。
採用過程とは関係なく一度話してみたい、という方も大歓迎です。

 

弊社(迅技術経営)では、性別や経歴に関係なく、士業資格(中小企業診断士、税理士、社会保険労務士)の取得を通じて地域のために貢献したいという方に対して、「士業育成システム」による支援を行っています。
資格を取得して一人前になった後は、自らの故郷などに支店を設け、皆様の力を還元する取り組みも行っています。

採用も随時行っておりますので、こちらの採用ページをご覧ください。

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