若手診断士は増加している?

最近、20代~40代のいわゆる「若手」と呼ばれる中小企業診断士の方と接する機会が増えてきました。若手のみでの集まりもあるなど、動きが活発になってきていますが、受験者・資格保有者の実際の年齢構成はどうなっているのでしょうか?外部データからここ10~15年の推移を見ていきます。

【2024年1月11日 投稿】
【2024年6月28日 更新】

こんにちは。
中小企業を支援したい、中小企業支援を通じて地域を活性化したい、そんな思いを実現したいという方に対して、恩送りや士業育成システムを通じてお手伝いしている、迅技術経営の森です。

今日(令和6年1月11日)は中小企業診断士二次試験の 合格発表日です。
合格された方、おめでとうございます。
残念ながら不合格だった方、モチベーションの維持が難しいとは思いますが、来年に向けて一歩ずつ進んでいきましょう。

今回は中小企業診断士と年齢(特に若手診断士)について 書いていきたいと思います。
これまでも若手での中小企業診断士資格取得や取得後の転職についての記事を書いております。ご興味のある方はご覧ください。
・未経験者が中小企業診断士事務所に入る年齢(20代?30代?)
・中小企業診断士として20代で転職する
・若手(20代、30代)の中小企業診断士に需要はあるのか?
・「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み

 

1.若手診断士に関する体感

私自身も20代で中小企業診断士に登録し、現在も30代ということで「若手」のくくりにまだ入っているかと思いますが、ここ5年程度で若手の診断士は大きく増加したように感じます。
20代はさすがになかなかお会いしませんが、30代から40代の方とお会いする機会は増えました。

また、20代の方で診断士を目指したい/目指しているという人も見かけます。

 

2.中小企業診断士受験者の年齢構成

私の体感が合っているか、実際のデータで見てみたいと思います。
まずは、受験者の年齢構成について、平成22年度(2010年度)から令和4年度(2022年度)まで並べてみました。
(出典元:中小企業診断協会「申込者・合格者にかかる統計資料」

これを見ると、40代以上の方で受験者数が増加しているように見えます。
絶対数だと年齢層ごとの増減がわかりづらいため、割合でも見てみましょう。

平成22年度では30代以下が全体の60%以上を占めていましたが、令和4年度では40%強まで減少しています。
その分50代が10.6%→20.7%とほぼ倍増しています。

この結果を見ると、私の体感とは真逆の傾向のようです。

 

3.中小企業診断士資格保有者の年齢構成

次に、資格保有者の年齢構成を見てみます。
こちらは資格保有者に対するアンケート結果に基づいたもので絶対数では単純比較できないため、割合のみです。
(出典元:中小企業診断協会「中小企業診断士に関するアンケートデータ」

平成17年度(2005年度)から令和3年度(2021年)にかけて、40代以下の割合が減少(約40%→約30%)し、50代以上の割合が増加(約60%→約70%)しました。

この15年ほどで日本全体の平均年齢が4歳ほど上昇しているため、(2005年度43.1歳→2021年度47.4歳(出典元はこちら))それと同様のスピードで診断士の年齢構成も上昇しているようです。

 

4.おわりに

現在取ることができるデータを見ていくと、私の肌感覚とは逆に診断士受験者・資格保有者ともにますます50代以上の方が中心となっているようでした。
経営者の新陳代謝が進んでいないことは有名ですが、経営者を支援する中小企業診断士もまた、若手の参入が進んでいないのかもしれません。

しかし、経営に関する課題はますます複雑になり、経営者の方々も我々診断士に対して最新の情報や知識の提供を期待しているだけに、若手診断士の需要はますます高まっていくように感じます。

 

弊社(迅技術経営)では、性別や学歴に関係なく、士業資格(中小企業診断士、税理士、社会保険労務士)の取得を通じて地域のために貢献したいという方に対して、「士業育成システム」による支援を行っています。
資格を取得して一人前になった後は、自らの故郷などで皆様の力を還元する取り組みも行っています。

採用も随時行っておりますので、こちらの採用ページをご覧ください。

「未経験から中小企業診断士」の診断士としての歩み(その1)

一般的に中小企業診断士はそれまでのキャリアをバックグランドとして独立される方が多い仕事です。しかし、私のように新卒から中小企業診断士になり、専門性を模索しながら活動する、というケースも存在します。今回の記事では、診断士に興味を持つ学生さんや社会人になったばかりの方に向けて私のキャリアを紹介しています。

【2019年11月1日 投稿】
【2023年4月17日 更新】
【2024年5月16日 更新】

こんにちは。中小企業診断士の森研介です。

10月20日に中小企業診断士の二次試験が実施されました。
受験された皆様、感触はいかがでしたでしょうか?

さて、中小企業診断士を目指している方の中には、大きく分けて「企業内に残る(キャリアアップのために受験)」方と「(将来的に)中小企業診断士として活動する」方がいらっしゃるのではないかと思います。

今すぐではなくても、中小企業診断士として中小企業の支援に携わりたい!
という気持ちをお持ちの方も多いことと思います。
ただ、そうした方の共通の悩みに、「実際に中小企業診断士がどんな活動をしているか、どのように経験を積んでいるかわからない」
というものが多いのではないでしょうか。

かく言う私自身がそうでした。

なので今回は、大学時代に中小企業診断士を目指し、新卒で中小企業診断士事務所に入社し、現在中小企業診断士として6年半が経過したという森の視点から、中小企業診断士としての活動をご紹介したいと思います。
(診断士としての働き方は本当に多様なので、あくまで数ある中の一例として捉えていただけると幸いです)

その2はこちらからどうぞ

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若手(20代、30代)の中小企業診断士に需要はあるのか?

こんにちは。中小企業診断士の森です。

私は2013年2月に、当時25歳で中小企業診断士に登録しました。
現在(2019年9月)、私は31歳になり、中小企業診断士として7年目を迎えています。

J-Net21様が公表している「データでみる中小企業診断士2016版」
によると、
50代が最も多く29.1%、次に60代(25.6%)、40代(22.9%)と
続いており、40代~60代で全体の4分の3以上を占めていることがわかります。
30代以下では約10%、20代に至っては0.6%しかいません。

この結果は企業内診断士として活動されている方も含んだ統計ですので、
本当に中小企業診断士の業務を行っている方ではもう少し変わってくるかも
しれません。
しかし、中小企業診断士の世界では30代以下は少数派、という
全体的な傾向は変わらないのではと思います。

今回は、このようなかなり少数派の若手中小企業診断士の需要について、
実体験を基にお話していきたいと思います。
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中小企業診断士として20代で転職する

【2018年9月10日 投稿】
【2023年5月1日 更新】

中小企業診断士の西井克己です。

今回は「中小企業診断士と20代」というテーマで書いていきたいと思います。

 

◎20代で中小企業診断士として転職する方は少ない

20代で中小企業診断士で転職する方はとても少ないと思います。
なぜならば、年間100人程度しか20代の合格者数がいない状況で、そのうち転職を検討する方はさらに少なくなるためです。
(中小企業診断協会が公開している平成29年度の中小企業診断士2次試験合格者数は全体で828人そのうち20代は146人(17.6%)となります。)

過去に、
士業もほかの仕事と同じで、ある程度若い年齢で仕事を覚え、それから第一線で活躍し、後進を育成する。
それぞれが10年スパンと考えると、30代で仕事を覚え、40代で第一線、50代で後進の育成と
考えると30歳までにスタートラインに立つ必要がある。
そんな記事をこのブログで記事にしております。
未経験者が中小企業診断士事務所に入る年齢(20代?30代?)

 

◎過去の記事とはちょっと違った切り口(サービス品質の視点)

今回は少し違った切り口で記事にしてみたいと思います。
それは、士業における働く時間とお客様に提供するサービスの品質についてです。

私は毎年、新卒の就職フェアで自らブースに立っており、就職活動をされている学生さんと対話する機会をいただいております。
ここ数年の傾向として、個人の時間を確保するために会社を選ぶ際に休日を重視する学生さんが増えていると感じております。

仕事と個人の時間の使い分けは、当然にその方(学生さん)が人生の中で選択することです。
私は、特に士業の場合は、自分自身で働く時間を管理することはむしろするべきであると思っております
(働きたい人は働き、プライベートの時間を充実させたい方は、プライベートの時間を確保する)。

しかし、学生のかたと会話していると、仕事に充てる時間に焦点が当たっていて、
ご自身が社会人として提供する仕事の品質についての視点が少し欠けているかもしれないと感じることがあります。
これは、会社の中で、組織の一員として仕事をする上においては、当てはまらないことかもしれませんが、
基本的に1人で仕事を完成させる士業の仕事では影響が大きいと感じています。

 

◎1日当たりの働く時間で転職先を探していませんか?

具体的には、
ある方が、1日当たり、5時間を働く時間に充てる選択をしたとします。
同じ士業事務所にいる西井は、1日10時間かけてお客様の満足するレベルの仕事(仮に品質レベル10とする)を提供しています。
1日当たり5時間を仕事の時間に充てる選択をした方は、品質レベル10の仕事を2日かけて(すなわち10時間かけて)お客様に提供する。そんな仕事ができる方であれば全く問題ないと思いますが、
例えば、2日かけて、品質レベル5の仕事を2つ行うもしくは、2日かけて品質レベル7の仕事を提供することは行ってはいけないことと感じています。
すなわち、自分自身が1日当たり5時間の仕事を行う制限をかけていることは、お客様にとっては関係のない話です。
自分の都合によってお客様に迷惑をかけることは、あってはならない話と思っています。

 

◎やっぱり中小企業診断士として一定の品質を確保するためには、一定程度の時間が必要

20代の方で中小企業診断士を目指される理由を聞くと、比較的時間が自由になりそうだからということをあげられる方も少なくありません。
確かに、一定の品質を提供し、お客様を選べるくらいに実力がついた中小企業診断士についてはそうであるかもしれません。
しかし、一定の品質を提供できるためには、やっぱりある程度の時間をかけてその仕事を覚えなければいけませんし、
それは、マニュアルに記載できるような仕事であることは少なく、自分の経験からすると、失敗しなくては気が付かないし身につかないことが多いです。
このため、一定程度の修業期間が必要と感じております(弊社にとってはそれがかばん持ちの2年間)。


◎20代で中小企業診断士への転職を希望されている方へ

20代の方で、中小企業診断士への転職を希望されている方もしくは、中小企業診断士の資格を目指し転職を狙っている方がこのことを
勘違いしながら前に進めていないのか?
新卒ブースに立つたびに心配になっています。

20代は社会に適合できるかどうか不安であることもあり、短期的な視点で判断しがちですが、
・30年後にどうありたいかイメージすること
・ありたい姿に近づくための手段を選択すること
・幸せな人生を歩むためにどんな人と付き合っていくのか?(付き合う人で人生が大きく変わります)
など長期的な視点で判断することも大事なのではないかと思っております。

 

おわりに

世代世代で当然に価値観は違いますので、余計なおせっかいかもしれませんが、20代の方が中小企業診断士への転職を目指している方への懸念事項を記載してみました。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、金沢で修業(10年ぐらい)して、故郷で支店(北陸3県を除く)を出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。
採用の詳細については、こちらの採用ページをご覧ください。

西井に会いたいと思っていただけた方は、北陸方面であれば土曜日に会社(金沢)でお会いできます。
関東・関西方面の方は、東京、大阪出張の際に調整をしてお会いしていますので問い合わせください
(これまで出張の際にお会いした方は10名程度いらっしゃいますのでお気軽に)。

新規の問合せ質問はこちらのお問い合わせページからお願いします(フォームにリンクします)

未経験者が中小企業診断士事務所に入る年齢(20代?30代?)

【2017年4月30日 作成】
【2024年1月15日 更新】

中小企業診断士の西井克己です。

中小企業診断士としての経験がない方が、
求人情報を探していると不安に感じる事の1つが
「いつまでにその業界に入ればよいのか」です。

中小企業診断士を育成する民間企業は全国的に見てもほとんどなく、
ほとんどの方が未経験からスタートで、
身近に中小企業診断士がいないとあまり適切な答えが
返ってこないテーマかと思います。
このためこの質問は私もよく聞かれる質問の1つです。

“未経験者が中小企業診断士事務所に入る年齢(20代?30代?)” の続きを読む