中小企業診断士の将来性は?

中小企業診断士の西井克己です。

中小企業診断士の将来性についてどう思いますかと質問を受けることがあります。

将来性という人によって異なる定義のある質問ですが、
私の考える将来性ということで、中小企業診断士の将来性について個人的見解を述べます。

〇お客様と深く接すれば接するほど将来性を感じる
個人的には、独占業務がない分、
お客様に合わせた時代に合わせたサービスを展開できるため、
将来性はあると考えています。
特に、弊社の場合はスポット対応ではなく、
税理士先生の様にほとんどのお客様と顧問契約を締結しています。
顧問契約は、お客様の成長と安定により初めて弊社にも利益がもたらされる契約ですので
お客様とともに成長できる診断士の仕事に将来性を感じています。

ただし、顧問契約のお客様と深く接すれば接するほど
最終的には、各国家資格者がそれぞれにお客様のニーズに対応する時代は
終わり、ワンストップでお客様のニーズに対応する必要があり将来性もあると考えております。

〇税理士、社会保険労務士と比べて受験者数が減っていない
また、税理士、社労士、診断士の受験者数の推移を比べてみました。
診断士の受験者数も減ってはいますが、税理士と社労士に比べて減少していないようです。
資格関連産業の方が、
資格ブームは去りつつあり、公務員志向がさらに高まっている
と共通しておっしゃっているのでその傾向があるのではと思います。

        税理士   社労士   診断士
平成24年度 48,123人   51,960人  17,168人
平成25年度 45,337人   49,292人  16,627人
平成26年度 41,031人   44,546人  16,224人
平成27年度 38,175人   40,712人  15,326人
平成28年度 35,589人   39,972人  16,024人
28年度/24年度 73.4%     76.9%   93.3%

〇資格は目的であって手段ではない
資格を目指そうかどうしようか迷っていらっしゃる方にいつもお話しするのは、
「資格は手段であって目的ではない」
ということです。
例えば、地域の中小企業を支援したいという目的があって
その手段として、公務員であったり、税理士であったり、診断士であったり、
中小企業を活性化する会社を作ったりすることであったりするわけです。

どんな資格に挑戦しようと思っているときにその資格の将来性を知りたいという
欲求は理解できます。
しかし、資格の将来性も大事ですが、自分は何をやりたくてその資格を目指すのか?
その原点となるものを定める必要もあると思います。
それは、迷ったときに本当に役に立ちますよ。

2017年9月2日追記
〇AI時代に代替可能性が低いとされる中小企業診断士
2015年12月、野村総合研究所(NRI)と英オックスフォード大学はこんな研究結果を発表した資料によると
「代替可能性が高い職業」として具体的に挙げられている中には、
税理士や会計士、行政書士など、いわゆる士業といわれる職業も含まれていることが分かります。

私個人的な考えを述べます。
確かに単純作業の部分はなくなる可能性はありますが、
白・黒はっきりしないいわゆるグレーゾーンというものはどんな仕事にもあります。
士業の仕事の大半が、グレーゾーンをどのように扱うのか?この仕事といっても過言ではありません。
決まった手続きのみを行っているのであれば、将来性は厳しいかもしれませんが、
そうでない仕事(いわゆる答えのない仕事)を積極果敢に挑戦していくことで
むしろAIにとってかわられる作業との差別化が図られると考えております。
このように考えると士業の仕事は、差別化要因が明確な仕事ということになり、結果将来性が高い仕事といえると思います。

2017年10月28日追記
2017/9/25付 日本経済新聞 朝刊
AI時代のサムライ業(奪われる定型業務)の記事にも有難いことに中小企業診断士はAIによる代替可能性が低いとなっております。
将来性があるという評価をいただいているそんな風にエールをいただいているようでとてもうれしく感じました。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、金沢で修業(10年ぐらい)して、故郷で支店(北陸3県を除く)を出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。

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中小企業診断士で食べていけるのか?

【2017年4月20日 投稿】
【2024年10月18日 更新】

中小企業診断士の西井克己です。

タイトルの「中小企業診断士で食べていけるのか?」は、中小企業診断士を志す方からよく聞かれる質問です。

1 中小企業診断士で食べていくためには

私は常に「中小企業診断士で食べていけない人間はどんな資格を取っても食べていけない。」と答えております。
かつて、旧中小企業診断協会石川県支部の石川県士業団体連絡協議会担当理事を務めさせていただいたときに、他士業の方と会話をする機会をいただきましたが、いずれの士業も資格だけで食べている方は少ないように思います。
資格は、あることをやりたいと思う目標(自己実現)に近づくための道具でしかないと思います。
士業として生計を立てるためには、誰かから仕事をもらうという考え方から脱却し、積極的に自己実現を図る考え方に代わる必要があると思います。

中小企業診断士も国家資格の一つであり、自分のやりたいことに近づくための道具ではありますが、仕事を進める上での本質は、国家資格者であろうがなかろうが、関係ないと思っております。

 

2 「食える士業」になるための必要条件と十分条件

西井が考える仕事を進めるための必要条件と十分条件を記載すると
◎必要条件
やる気
専門能力
調整能力
人望
健康

◎十分条件
自分で考え仕事を楽しんでできる。
進んで苦労の経験を積む。
成功体験を積み重ねる努力ができる。

であり、やっぱり通常の仕事と全く変わりがないのではないかと感じております。

 

3 食える食えないではなくこの仕事を職業としたいかどうかで判断してみませんか

中小企業診断士は社長から資金繰りはもとより、営業・労務など経営全般の相談を受けます。
信頼関係のある経営者からは、ご家族のことまで、幅広い相談を受けます。
私個人的には、中小企業診断士は、まさしく中小企業のドクターと考えております。
お客様と一緒に成長し、「ありがとう」と感謝される。
仕事そのものが社会貢献と実感できるとても楽しい仕事です。
食える食えないで判断するのではなく、この仕事を職業としたいかどうかで判断してほしい。
そんな風に思っております。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名、中小企業診断士+税理士1名)では、金沢で修業(10年ぐらい)して、故郷で支店を(北陸3県を除く)出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。もちろん、金沢でずっと仕事をしたいという方にも対応しています。

西井に会いたいと思っていただけた方は、北陸方面であれば土曜日に会社(金沢)でお会いできます。
関東・関西方面の方は、東京、大阪出張の際に調整をしてお会いしていますので問い合わせください(これまで出張の際にお会いした方は10名程度いらっしゃいますのでお気軽に)。

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また、未経験でも士業資格の取得を通じて自分の志を実現したいというお気持ちがある方は、弊社の採用ページもご覧ください。

 

新卒や既卒で中小企業診断士事務所に就職すべきか?

中小企業診断士の西井克己です。

1 弊社は新卒・第二新卒から中小企業診断士を育てた会社
弊社は、未経験者を採用することを大切にしておりますので新卒・既卒採用も行っております。
直近で入社いただいた3名の内、2名は新卒と第二新卒となっております。
(弊社の定義では26歳以下の方は新卒扱い(既卒)としております。)

就職フェアなどの一般的なイベントに参加し、就職を希望する学生さんとお話しする機会もいただいています。

実際に弊社に新卒で入社して中小企業診断士として活躍されている方のモデルケースを知りたい方はこちらへ
未経験で中小企業診断士になる モデルケース(新卒)

2 将来の方向性が定まっていない新卒・既卒者がそのまま中小企業診断士に入社するリスク
その中でいつも感じているのが、将来の方向性が定まっていない方が、
中小企業診断士事務所をはじめとする士業事務所に新卒で入社することは、
リスクが高いということです。

私も、就職ブース等で学生さんとお話ししていると、
この方は、一般企業に就職するか、士業事務所に就職するのか迷っているな、強い意志を感じられないな
と感じたときには、一般企業(規模感が大きいほうが教育プログラムは定型化する傾向にあります)に就職することをお勧めしています。
(学生の方から教育システムについて質問を受けることがあります。
 その時には、一律の教育プログラムを用意していないと答えるとがっかりされたり不安に思われる学生さんが多いです。
 学生の方には、方向性の定まっていない方を一律に教育するときには、全員に同じ訓練をしていただくことは企業側にとってとても効率的なのですが、方向性を定めている方にその訓練の型にはめるのはその方の個性を無視しているように思えて当社は一律の訓練を定めていません。
その方のあるべき姿と現在の能力を見定めたうえで、その方にあった教育を受けていただいています。と回答しています。)

その理由は、
一般企業では、ビジネスマナーや社会人としての常識を同期や先輩から学ぶことができます。
一方で、中小企業診断士事務所をはじめとする士業事務所は、
基本的には、一人で仕事が完結する業務ですので、
自分で成長するという強い意志がなく、周りに流されてしまうと、社会人の初期段階で学ぶべき基礎を学べない可能性があるからです。

3 将来の方向性が定まっている方は、新卒・既卒で中小企業診断士事務所に入ることをお勧めします
ただし、中小企業診断士になるという強い意志を持っていれば、
新卒からその専門職の世界に入った方が、明らかに効率的です。
弊社の20代の中小企業診断士を見るとそれは明らかです。

また、中小企業診断士の合格者の大半が、一般企業を経験している方*なので、
新卒者が、初めからその環境に身を置いて、強い意志で自らを律することができれば、
将来的に大きな差差別化を図ることができると思われます。

*参考までに平成28年の中小企業診断士2次試験合格者の勤務先区分別人数を以下に示します

経営コンサルタント自営業    9人
税理士・公認会計士等の自営業  32人
上記以外の自営業        16人
経営コンサルタント事業所等勤務 30人
民間企業勤務          533人
政府系金融機関勤務       20人
政府系以外の金融機関勤務    81人
中小企業支援機関        8人
独立行政法人・公益法人勤務   11人
公務員             31人
研究・教育           4人
学生              13人
その他(無職含む)       54人
合計              842人
中小企業診断協会発表資料より転載

4 新卒採用することは、中小企業診断士事務所にとっても新卒既卒者にとってもリスクはあるがメリットも大きい
中小企業診断士試験を勉強中の未経験者を育てる企業も少ないですが、
新卒を育てようという会社はさらに少ないです。

はっきり言って育成期間中は、明らかに事務所の持ち出しです。
一般企業では組織で仕事をしていますので、個人個人の損益が分かりづらくまた、同じ新卒者もいるのであまり個人の損益を意識しないかもしれません。
一方で、士業事務所の場合、個人個人の損益が極めて分かりやすいので、逃げ場がない状態になります。
このため、入社後数年は、明らかに赤字であることに耐えられる強い意志と、
今は赤字だけど、将来的には必ず手に職をつけて、必ず社会や会社に還元できる人材になれるという熱い思いを持つ方でなくては務まらないと感じています。

そうであるからこそ、新卒や第二新卒で思いや強い意志をもって中小企業診断士事務所に入った方は、
私もびっくりするくらいのスピード感で成長できるのだと思います。

そんな成長を見るのが経営者として、中小企業診断士の先輩として一番の楽しみになっています
(コンサル会社はフルコミッション(完全成功報酬型)が多い中で、未経験者を雇用契約という安定した収入環境のなかで仲間に入ってもらい、自分の意志で一から学んでもらう。そんな仕組みを作ったのもこの成長を見ることができるためといえます)。

中小企業診断士西井克己が経営している迅技術経営(中小企業診断士4名、社会保険労務士1名)では、金沢で修業(10年ぐらい)して、故郷で支店を(北陸3県を除く)出したいという思いにも対応したいと思っていますのでご相談ください。もちろん、金沢でずっと仕事をしたいという方にも対応しています。

会社見学は原則土曜日に西井が対応していますので、ご興味があればお問い合わせいただけると幸いです。

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