女性診断士は少ない?(その2:女性経営者×女性診断士)

女性経営者は増加傾向にあるといわれていますが、実際のところどうなのでしょうか?また、女性経営者はどのような悩みを抱えているのでしょうか?女性診断士(士業)だからこそ可能な女性経営者に対する支援のあり方について考えるきっかけになれればと思います。

こんにちは。中小企業診断士の森です。
前回に引き続き、「女性の中小企業診断士」のテーマです。

前回は、診断士受験者や合格者の中での女性比率、そして他士業と比較した女性比率の状況を見てみました。
近年は中小企業診断士を目指し、合格する女性が増加傾向にあるものの、他士業と比較すると依然として低い、ということがわかってきました。

今回は、少々乱暴な切り口ではあるものの、「女性経営者×女性診断士の可能性」という視点で書いていきたいと思います。

 

1.女性経営者の推移

女性経営者だから女性診断士!
というのはあまりに短絡的であることは承知の上で、とはいっても女性の税理士や社労士の方の顧問先にはやはり女性が多いように感じる部分もあるため、女性経営者の推移について見てみたいと思います。

(帝国データバンク「全国『女性社長』分析調査2022年」より引用)

女性経営者については、調査会社の帝国データバンクが全国「女性社長」分析調査という形で毎年公表しています。

これによると、1990年以降女性経営者の比率は上昇し続けており、直近では8.2%でした。
ただし、対象は株式会社、有限会社、合同会社、合名会社、合資会社の形態に限られているため、個人事業やNPO法人などを含めると実態は変わってくるかもしれません。
特に幼稚園や保育園などは(体感的に)女性経営者の比率が高いように感じていますが、これらは学校法人立や社会福祉法人立のケースも多く、その場合は今回の統計には算入されないことに注意が必要です。

業種別では不動産で17.2%と最も高く、サービス業(11.1%)、小売業(10.8%)と続いています。
より細かくみると、保育所41.0%、化粧品販売35.6%、美容業34.2%、老人福祉事業31.1%などと、子育て・介護・福祉や生活関連サービスで女性経営者の比率が高いようです。

また、帝国データバンクと同じ調査会社である東京商工リサーチも約400万社ある企業情報から女性社長について抽出したデータを公表しています。

(東京商工リサーチ「第11回『全国女性社長』調査より引用)

こちらは個人/法人や法人形態を問わず、女性が経営者である組織を抽出したデータで、先程のデータと比較すると女性経営者比率は14.7%と高い数値でした。
こちらのデータによると、飲食業や美容業、医療・福祉業を含む「サービス業他」が女性が経営している組織の約半分を占めているようです。

引用したデータによって違いはあるものの、女性経営者は絶対数でも比率でも増加・上昇しておりサービス業で特に割合が高い、ということがいえそうです。

 

2.女性経営者の悩みとは?

増え続けている女性経営者ですが、女性ならではの悩みもやはりあるようです。

既婚の女性経営者の悩みに関するアンケート調査(2023年)より引用)

既婚の女性経営者に限定した調査ですが、これによると、「仕事と家庭の両立」と「自分の健康」に悩みを抱えている方が多く、全体として自分・家庭・家族に関する項目が上位のようです。
「会社・事業の経営」が7番目というのは正直かなり驚きました。

なかなかデータもないのでわかりませんが、経営者全体に対する悩みを聞くと、おそらくは会社のこと(ヒト・モノ・カネなど)が上位にあがってくるのではないかと思いますので、自分や家庭・家族と仕事のバランスという点は女性ならではの視点といえるかもしれません。

 

3.女性診断士(士業)だからこそできる支援の可能性

先ほどの悩みに関する調査からも、仕事と同じかそれ以上に自分自身や家庭に関する悩みを抱えながら経営している方が多いということがうかがえます。

女性士業・女性診断士としては、そのような女性経営者に対してどこまで共有しながら、その方の成し遂げたいことを支えることができるか、ということが重要になってくるのだと感じました。
(もちろん男女関係なく、その方が抱えている課題や悩みを感じ取りながら支援することは言うまでもなく重要です)

今後も女性経営者の増加傾向は続くでしょうし、その分課題や悩み・ニーズも多様化すると考えられます。

家庭まで含めた悩みを解決することは簡単ではありませんが、その分そこに寄り添い、少しでも前向きな気持ちで事業に取り組んでいただけるような支援ができたら、これからの世の中にとっては非常に価値のあるものになるのだと思います。

弊社(迅技術経営)では、性別や学歴に関係なく、士業資格(中小企業診断士、税理士、社会保険労務士)の取得を通じて地域のために貢献したいという方に対して、「士業育成システム」による支援を行っています。
資格を取得して一人前になった後は、自らの故郷などで皆様の力を還元する取り組みも行っています。

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