中小企業診断士二次試験の点数を安定させるには?

中小企業診断士の試験は知識充足型の一次試験と応用力、論理的思考での記述型の二次試験に分けられます。この記事では、二次試験合格に必要な「得点を安定させる方法」のヒントになるかもしれない情報(合っていた方法/合っていなかった方法)を筆者の体験談を基に書いています。

こんにちは、迅技術経営の中小企業診断士・小川です。

迅技術経営では、「今は資格も経験もないが、将来的に資格を取得して地域やそれを支える中小企業など、次の世代のために貢献したい」という思いを持つ方と一緒に働きたいと考えています。

士業育成に対する考え方や独自の制度である士業育成システム®、弊社の特徴についてはこちらの採用ページ知的資産経営報告書に記載されておりますので、よければご覧ください。

 

今年も中小企業診断士の一次試験の時期が近づいてきましたね。
今から一次試験の追い込みに入っていく時期だと思いますが、今回は二次試験について、私(小川)の体験も交えながら「こうしたら得点が安定するかも?」というヒントになるかもしれないことを書いていこうと思います。

 

1.中小企業診断士試験について

今さらな部分もありますが、中小企業診断士試験についてのおさらいです。
中小企業診断士試験は、診断士として中小企業の診断(経営課題の分析)と助言をするに十分な知識と応用力を持っているか、という点を判断されるものです。

一次試験は主に知識の充足が重視され、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目についてマークシート方式で回答します。
一方の二次試験は知識をベースとした応用力が試され、4つの事例(主に組織・人事、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計)について事例企業に関する文章を読んで記述式で回答します。

一次・二次ともに、総点数の60%以上でかつ40%未満の科目がないことが合格基準となっています。
これまでは二次試験合格者を対象として口述試験(インタビュー形式で主に二次試験の内容について問われる試験)がありましたが、令和8年度試験より廃止されることが決まっています

二次試験まで合格した方は、15日以上の実務補修または実務従事を経て中小企業診断士として登録ができます。
試験から登録までの詳細な流れはこちらをご覧ください(日本中小企業診断士協会連合会のWebページにジャンプします)。

 

2.二次試験の特徴

受験される方の大半は既にご理解いただいていると思いますが、二次試験の特徴は以下の3点です。

・事例企業(ケース)を基にした問題であること

二次試験では診断・助言の舞台となる事例企業が用意されています。
この事例企業について、2~3ページ程度の文章(与件文)が書かれており、これを基に各設問に答えていくことになります。
試験時間は各事例80分で、なるべく回答作成に時間をかけたいということを考えると、与件分をどれだけ効率的に読み込むことができるかということが問われます。

・記述式であること

一次試験はマークシートだったのでわからなくてもとりあえずの回答は可能でしたが、二次試験は記述式なのでそうした対応はできません。
事例にもよりますが、概ね30~150字くらいの記述が求められるケースが多いように感じます。知識を持っていることだけではなく、それを基にきちんとした(他人に伝え理解していただける)文章を作る力が求められます。

・事例Ⅳでは記述だけでなく計算が必要であること(電卓持ち込みOK)

事例Ⅰ~Ⅲは記述のみですが、事例Ⅳは一次試験でいう財務・会計分野の問題が出題されるため、計算が伴います。
基本的には一次試験で習った範囲から出題されるので、計算方法がわかっていれば正答にたどり着ける可能性が高いのですが、計算は一次試験より複雑で電卓を使いながら解いていくことになるので、電卓を上手く扱えるかという点も合否に関わってきます。

 

3.小川(2年で合格)のケース

筆者である小川は、一次試験は1年目で合格できましたが、二次試験は1年目不合格、2年目で合格することができました。
合格したのは2012年度でかれこれ10年以上前の話なのでどれだけ参考になるかわかりませんが、私の経験を書いておこうと思います。

3-1.1年目

1年目は勝手がわからず、とりあえず一次試験を合格しなければその先はないので、ひたすら一次試験の勉強に時間を費やしていました。このため資格学校の授業も一次試験のものだけ、模試も二次試験のものは受験せず、二次試験の準備を始めたのは一次試験が終わり自己採点して「おそらく合格だろう」ということがわかってからという状況でした。

一次試験が終わってから二次試験までは2ヶ月ちょっとしかありません。その間でテキストを買ったり過去問を解いたり二次試験対策授業を受講したりしていました。
私が受講していたTACでは、「TACメソッド」という方法で「いかに点数を安定させるか」ということを重視していました。しかし、そのメソッドを自分の中に落とし込むことに時間がかかってしまい、結局自己流に近い状態で本番が来てしまいました。点数の照会はしませんでしたが、おそらく散々な結果だったと思います。

 

3-2.2年目

2年目は1年目と違って丸々1年間を二次試験対策に費やすことができました。
2年目で意識したのは、「自分のスタイル」を確立することでした。どの事例でも自分はこの進め方で解答する、80分間をこう使う、という流れを身につけることが、得点をある程度高い位置で安定させることにつながるのではと考えていました。

最初の数ヶ月(冬~春)は、この「自分のスタイル」を模索する期間でした。
TACメソッドのいいところも取り入れつつ、どうしたら正答例に近い内容にできるかといったことを、過去問や模試を通じていろいろと試していきました。

余談ですが、実際の二次試験は模範解答が公式から出るわけではないので、各資格学校ごとに若干解答例が違うのも、個人的には混乱するポイントでした。
なので、もちろん解答例は参考にしつつ、自分なりに納得できる解答ができたか、ということを意識していたように思います。

後半(春以降)はなんとなく確立できてきた自分のスタイルをベースになるべくたくさんの問題と接する期間にしていました。
この時期になると過去問(今もあるかわかりませんが、10年分の過去問が掲載された問題集がTACから発売されていました)はやり尽くしてしまっていて、模試でしか初見の問題に当たることができなかったので、模試に飢えていた時期でもありました(笑)
この頃になると、時々事例Ⅳで計算ミスをして大きく点数を落としてしまうことはありましたが、それ以外は概ね6割くらい部分点を稼げるくらいの力が身についていたように記憶しています。

 

4.得点を安定させるためのヒント

いろいろな攻略法があるとは思いますが、個人的には「自分のスタイル」を確立して得点を安定させる(事例によるブレを少なくする)ことが効いていたと思います。
以下では、誰にでも当てはまるというわけではないと思いますが、自分に合っていた方法、合っていなかった方法を書いていきたいと思います。

○合っていた方法

・設問から読む
これはほぼすべての受験生がやっていることだと思います。試験用紙は与件文から始まっていますが、それから読まないといけないということはありません。
まず設問を10分くらいで読み込む。そこから事例企業の現状や課題を推測する。
これをしておくと与件文を読んだ時に解答に繋がりそうな記述を見逃すことが減ります。

・必ずSWOTをまとめる
私は与件文を読んだ上で、必ずSWOTをまとめるようにしていました。
与件文から読み取れる事例企業の強みと弱み、機会と脅威をまとめておくことで、頭の中で勝手に想像せず文章から読み取れることをベースに解答を作っていくということができました。

・解答につながるフレーズを書く
これは私の特性だと思いますが、文章を読んでも頭の中に情報がなかなか残りませんでした。その代わり、単語ででも何かを書くとなんとなく頭の中に散らばっている情報が整理されるようでした。
このため、上のSWOTとも重なるのですが、読むことはそこそこにして何かを書くということになるべく時間をかけるようにしていました。

 

△合っていなかった方法

・蛍光ペンなどで与件文を強調する
上にも書いたとおり、私の場合「書く」ことで頭の中が整理されていく特性だったようなので、蛍光ペンで線を引いて強調してもあまりプラスには働きませんでした。
また、複数の色を使って書き分けることでビジュアル的にわかりやすくするという方法もあるとは思いますが、複数色を使うことで机が散らかること、書き分けるという行為自体が面倒に感じられ、自分には合っていませんでした。

・模範解答に自分を寄せる
模範解答は大事なのですが、先ほども書いたとおり、同じ与件文、設問を見ても各資格学校から出てくる模範解答は異なっていました(今はどうかわかりませんが)。
何度もお伝えしているとおり、自分のスタイルを確立することが大事なので、何もない状態では資格学校の考え方を参考にすることは大事です。
しかし、経験を重ねるうちに自分のスタイルができてくると、自分的には自信があったのに思ったような点数が得られなかったということもあります。
この時、模範解答に寄せに行くのではなく、模範解答と自分の解答が相違した原因は考えるものの、それを踏まえても自分の解答に自信を持てるならスタイルを崩さないことを大事にした方が結果的には点数の安定につながると思います。

 

5.おわりに

二次試験についていろいろと書きましたが、あくまで小川の体験に基づく話なので、皆さんなりの方法を確立していただければ、得点の安定=合格に近づいていけるはずです。
一次試験は知識の詰め込みが中心なので、これから追い込みにかかるといってもだんだん息が詰まってくると思います。
そんな時は気晴らしに二次試験の問題を(診断士になったつもりで)解いてみると案外息抜きになるかもしれません。

よく試験の内容は実務の役に立たないなんて言われますが、個人的にはそんなことは全く思わず、知識はもちろんですが考え方、事例への向き合い方などは大いに参考になると思っていますので、ぜひたくさんの事例企業と向き合いながら合格を目指してください。

(過去記事:中小企業診断士の二次試験は実務に役立つのか?

 

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