中小企業診断士の西井克己です。
タイトルの中小企業診断士事務所勤務に適した人は?
とても難しい問題です。
親方+パート1名といった事務所はあるのですが、いわゆる複数名中小企業診断士が所属する事務所自体が少ないので、なかなか答えづらい質問です。
しかし、当社も会社見学等で良く受ける質問の1つです。
この答になっているかどうかわかりませんが、いわゆる「恩送り」ができる人が答えの1つであると思っております。
この恩送りについては、新潮文庫 井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室に記述があります。
引用開始
わたしは、「恩返し」の代わりに、江戸時代ふつうに使われた「恩送り」という言葉で申し上げたいのですが、私なりに一関のみなさんに「恩送り」をしたい。
「恩送り」というのは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送る。その送られた人がさらに別の人に渡す。そうして、「恩」が世の中をぐるぐる回っていく。そういうものなのですね。
引用終わり
私自身普段から受けた恩は、その人に返すのではなく、次の世代に返す。このことが大事であるといっておりました。
このことにぴったりとあてはまる言葉が恩送りでした。
なぜ恩送りができる人といえば中小企業診断士は、実力がつけば独立できる仕事です(独立できるだけの実力をつけなければならないし、周りもそれを支援しなければならないと思います)。
誰もが1人で実力が付くわけではありません。
いろいろな方のご縁や支援を得た上で実力をつけていかれると思います。
現在のところ、中小企業診断士事務所では、中小企業診断士を社内で育てるということが活発に行われていません。
10年前ぐらいから弊社を含めいくつかの事務所がその活動を行っておりますが、全国どこでもそんな事務所が存在するようにはなっていません。
それは、実力をつけた方が独立すると、育てた側の資金面及び精神面での負担が大きいことが要因の1つと推測しております。
実力をつけた方が、その事務所内で次世代の中小企業診断士を育てる。
そしてまた次世代の中小企業診断士が、次々世代の中小企業診断士を育てる
そんな恩送りができると要因の1つが解消されるのではないか。
そうなれば、中小企業診断士の業界自体が活性化するのでは?
そんな思いをもって「恩送り」できる人が中小企業診断士事務所勤務に適した人ではないかと思います。
なかなか難しいですが、そんな方が1人でも多く中小企業診断士になってほしいと思います。
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