中小企業診断士の西井克己です。
中小企業診断士の人気や知名度はあるかという質問に対して、胸を張って「あります」といえない状況です。
10年前の比べると確実に人気や知名度は上がってきていますが、正直まだまだの状況です。
最近、中小企業診断士の人気や知名度が高まっており、2016年の日経ビジネスの調査では、サラリーマンが取得したい資格のランキング1位になっています。このように、徐々に知名度も人気も上がってきている中小企業診断士ですが、この資格、果たして一般社会ではどのくらい認知されているのでしょうか?
2016年の日経ビジネスの調査ではサラリーマンが取得したい資格のランキング1位
日本経済新聞社と就職・転職情報サービスの日経HRは共同で、ビジネスパーソンを対象に新たに取得したい資格(語学検定含む)を調査した結果では、中小企業診断士が1位のようです。
1位 中小企業診断士 16.0%
2位 TOEIC® テスト(C レベル、470~730点未満) 15.4%
3位 TOEIC® テスト(B レベル、730~860点未満) 14.8%
4位 TOEFL® テスト 14.0%
5位 宅地建物取引士 12.5%
6位 日商簿記検定2級 5.3%
7位 日商簿記検定3級 5.2%
8位 TOEIC® テスト(A レベル、860点以上) 4.9%
9位 TOEIC® テスト(D レベル以下、470点未満) 4.5%
10位 ビジネス実務法務検定® 準1級、2級 4.4%
私が実感として、中小企業診断士に対する人気や知名度が高いと感じるのは、
中小企業診断士を受験している方
その次に
金融機関や証券会社にお勤めの方
です。
残念ながら支援を受ける側(企業の社長や管理職)の人気や知名度はあまり高くありません。
支援を受ける側は、中小企業診断士としてではなく、コンサルタントとして認識されている方がほとんどです。
その前提条件を踏まえて、以下の通りまとめてみました。
1.昔よりは人気や認知度が上がっている
中小企業診断士は、上記のように「取りたい資格NO1」にもなっているくらいですから、最近ではずいぶん認知度が上がっています。
ベテランの中小企業診断士の方に話を伺っても、一昔前は、名刺に「中小企業診断士」と書いてあっても「それ何?」という顔をされることが多かったのですが、今は「難しい資格を取っていますね」と言ってくださることも増えていると言います。
一般の人でも、「中小企業診断士」という資格の名称を「聞いたことがある」ことが増えていて、「そんなものは聞いたことがない」と言われる機会は、確かに減っています。
2.商工会議所や商工会での評価が高い
中小企業診断士は、特に、商工会議所や商工会では、非常に重宝されます。
こうした機関は、経営コンサルタントに依頼して各種のセミナーなどを開催したり、企業に派遣したりしますが、そのとき、「資格がなくて実力のある人」よりも、「きちんと国家資格がある人」を優遇する傾向があります。そこで、難しい国家資格を取得している中小企業診断士に声をかけることが多いのです。商工会議所の担当者が中小企業診断士を知らないということはありませんし、中小企業診断士の資格があれば、無資格の経営コンサルタントよりも有利に仕事を回してもらうことができます。
こうした傾向は、都市部よりも地方の方が顕著です。地方部では、都市のように中小企業診断士がたくさんいませんし、いたとしても高齢であるケースも多く、なかなかフットワーク軽く活躍してくれる人が見つかりにくいからです。地方で中小企業診断士を開業すると、依頼が殺到してこなしきれないほどの業務を抱えることもあると言います。
3.民間では、まだまだ認知度が低い
これに対し、民間では、中小企業診断士の認知度は余り高くありません。
しかも、中小企業診断士は「中小企業」という名前に反して、中小企業での認知度が低いです。
大企業の場合には、中小企業診断士という資格自体は知られていることが多いです。ただ、そのおかげで特別信頼してもらえるということまでは期待しにくい状況です。中小企業診断士だからといって、特別扱いを受けたり、優遇してもらえたりすることもありません。
4.資格を持っている強みとは?
このように、中小企業診断士は、世間的に広く周知されているという状況には至っていないのですが、徐々に認知度が上がってきていますし、今後活躍が期待される資格です。
実際に、名刺やホームページなどにおいて、単に「経営コンサルタント」と表記するのと、「中小企業診断士」と表記するのとでは、見る人に与えるインパクトは異なるでしょうし、信頼も得やすいです。営業をするときにも、PR材料になりますし、商工会議所などでは重宝してもらえるので、役立ちます。
「誰にでも知られている」「大きな信頼を得られる」というと過大評価ですが、現状を正しく把握して上手に活かせば、資格取得後の仕事の獲得に大いに役立たせることができるでしょう。
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