こんにちは。中小企業診断士の森です。
女性の就業比率が高まっている昨今ですが、今回は「女性×診断士」という切り口で書いてみたいと思います。
ボリュームが大きくなりそうなので、今回は「他士業との比較を通じた診断士×女性」という切り口で書いていきます。
次回は少々乱暴であることを承知の上で、「女性経営者×女性診断士」の可能性について触れたいと思います。
結論を申し上げると、
・受験者、合格者ともに女性が絶対数でも割合でも増加している。
・でも他士業と比較するとまだまだ少ない
ということがいえそうです。以下、詳しくみていきましょう。
目次
1.中小企業診断士試験における女性受験者・合格者の状況
まずは中小企業診断士を目指す方、取得した方全体に対する女性の割合を見ていきたいと思います。
・1次試験
平成30年度以降の5年間の1次試験受験者をみてみると、女性比率は概ね10%で推移しているようです。
一方、合格者における構成比は直近では7%程度であることがわかります。
・令和4年度 2次試験
1次試験では全体受験者数が5年間で20%程度の伸びであったのに対し、2次試験では80%以上伸びています。
女性については1次試験での合格者が増加したこともあり、この5年間で2倍の方が受験するようになったようです。
合格者に占める女性比率はだいたい8%程度であり、5年前と比較すると合格者数は2倍以上になりました。
※表は中小企業診断協会の令和4年度試験の結果ページを基に筆者が作成。
2.診断士資格保有者における女性の状況
では、実際に診断士の資格を持っている方の中での女性の状況はどうでしょうか。
こちらについては時系列でのデータや職業とのクロスデータがないため深くはわかりませんが、中小企業診断協会が令和3年5月に公表したデータでは女性の比率は全体の5%強という結果でした。
回答率が17.4%と低いため、実際の割合はまた少し違ってくるのかもしれません。
3.他士業の状況
ちなみに参考までに、他士業についても触れてみたいと思います。
・税理士
受験者に占める女性比率…26.4%(令和4年度)
資格保有者に占める女性比率…14.4%(平成26年、税理士実態調査より)
・社会保険労務士
試験合格者に占める女性比率…38.1%(令和4年度)
資格保有者に占める女性比率…32.1%(令和3年度、社会保険労務士白書2022年より)
・行政書士
受験者に占める女性比率…31.8%(令和4年度)
登録者に占める女性比率…15.4%(令和4年度、日本行政2022年10月号より)
他にもたくさん士業資格はあるのですが、この3士業を見ると社会保険労務士で女性比率が高く税理士と行政書士では15%程度という結果でした。
これと比べると診断士の女性比率は増えてきたとはいえ受験者数・資格保有者数ともにかなり少ないといえそうです。
4.おわりに
データでの観察や他士業との比較はこれまでやったことがなかったのですが、こうしてみると改めてまだまだ少ないんだなぁと感じます。
次回は今回の続きで、「女性経営者×女性診断士」の可能性を見ていくことができればと思っています。
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